コンビニでは、毎年1000件前後の振り込め詐欺を未然に防止している。まだ件数としては多いとはいえないものの、店員の声かけが犯罪防止につながっているようだ。
筆者が意外に思ったのは、毎年400枚弱の「偽札」が要因となり、警察に通報されていることだ。ニュースでとりあげられる偽札事件は、全国のコンビニで毎日のように起きている。
その③:コンビニにやってくる困った人たち
コンビニで起こるトラブルの多くは、「若い客のたむろ」「恐喝」「因縁」「暴行」「暴走族」などが挙げられる。加えて問題になるのが、「酒類・たばこ販売時の年齢確認によるトラブル」だ。
かつての日本はよくも悪くも、酒類やタバコ販売に寛容だった。今の30~40代以上の世代は子供の時に、親のお使いでビールやタバコを買った人も少なくはないだろう。
今では年齢確認の必要があり、説明するまでもなく20歳未満の喫煙や飲酒はご法度だ。しかし、そこに果敢に「挑戦」しようとする未成年者はあとを絶たない。コンビニから110番する理由として、これら「酒類・たばこ販売時の年齢確認によるトラブル」が増加の傾向にある。
まさか日本人がベビーフェイス化し、20歳以上の男女といらぬトラブルに発展したわけではあるまい。実際、年齢確認を行った4割弱の店舗がお客とトラブルになったと認めている。これは年齢確認の厳格化などが影響している。
一方で注意すべきは、110番したケースがむしろ少ないことだ。店舗調査では、通報したのは2割弱にすぎず、約8割は通報されていない(『コンビニエンスストア・セーフティステーション活動リポート』参照)。実際にトラブルを恐れてか、面倒だからか、それとも慣例だからか。年齢確認の液晶表示ボタンをお客の代わりに店員がせわしくタッチする場面に頻繁に出くわす。趣旨ではないので店舗の固有名詞は省くものの、明らかに高校生風の若者にタバコを販売しているのを見たことがある。
実際に、全国で1200件強の暴行事件にもつながっており、店員の気持ちはわからなくはない。いや、よくわかる。そんな不届き者に対して、「客商売だから」と慎重かつ丁寧に対応しなければならないコンビニ店員の気苦労は絶えない。
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