能力より風土「若手が育つ組織」を作る簡単3秘訣 「挑戦できる組織風土」が、成長する会社にある

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次に「若手が育つ組織づくり」のヒントになる成功事例が、「行動展示」と呼ばれるユニークな展示方法で、いまや「全国区」の人気を誇る北海道・旭川市の旭山動物園の取り組みである。

たんに動物を飼育するだけでなく、それぞれの動物の「すごさ、美しさ、尊さ」を伝える展示は、すべて現場で働く飼育員のアイデアから生み出されている

どうしたら、こういったアイデアが生まれるのだろうか?

【2】「助け合うのが当たり前」の職場環境をつくる

旭山動物園はどんな職場なのか、ある女性飼育員に尋ねると、次のように答えてくれた。

「すごく働きやすい職場ですよ。いい職場環境って、早く帰れたり、オフィスがきれいだったりとか、そういうことではないと思う。私にとってよい職場環境とは、人間関係がよいこと。ここはみんな『和気あいあい』としているから、気持ちよく働けます」

それでは、どうしたら「和気あいあい」をつくることができるのか。

職場の『環境』って、与えられるものではなくて、みんなで努力してつくるものだと思います。手伝ってもらったら照れずに『ありがとう』を伝えたり、狭い職場だけど、『おはよう』『また明日ね』というあいさつをきちんと交わしたり。こういう何気ない一言の積み重ねがとても大事だと思います」

旭山動物園では、お互いに認め合い、支え合う精神が組織の風土として根付いており、「助け合うのが当たり前」という土壌ができている

「助け合う」「認め合う」「支え合う」が最大の価値

誰かが困っていれば、手を差し伸べる。誰かが悩んでいれば、さりげなく寄り添う。1人ひとりが他者に対して無関心ではなく、仲間としてさりげなく関心を持ちつづけている。

「助け合う」「認め合う」「支え合う」――それこそがチームで仕事をすることの最大の価値であることが、日常の仕事を通して若手からベテランにまで根付いており、働く環境の良さがクリエイティブな発想を生み出すのである。

自由闊達で、創造性に溢れる現場をつくるためには、「職場環境」という土壌を良質なものにしなくてはならない

人間関係が良好で、信頼感やチームワークがあるからこそ、現場から知恵やアイデアが生まれてくる

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