褒めるとき、感謝するときはできるだけ具体的に伝えるべきです。
「あのときのあなたの発言は、的確でした。おかげでその後の司会進行がスムーズになりました」とか「1週間前倒しでの契約取得、ありがとうございます。おかげで契約目標件数が達成できました」といった形です。
言われた側は、どういう行動がチームに喜ばれるのかが明確に理解できるため、その後の行動に具体的に反映できます。
受けた期待に対して、それ以上のパフォーマンスで応え、そのことに対して感謝を受ける。それを糧に、また新たな期待に応えるために努力する――フィードバックに理由を添えるというちょっとした工夫は、この良循環サイクルを継続的なものにするのです。
ドラッカー「人に教えることが最大の学びである」
かのピーター・ドラッカーは、「人に教えることが最大の学びである」と言っています。
人に教えるためには、自分が普段何気なく進めていることや、当たり前だと思ってやっていることも、なぜそうしなければならないかを言葉で表現できなければなりません。
人に説明するためには、自分で論理的に分析したうえで、相手に伝わるようにさらにわかりやすく組み立てるというプロセスが入ります。この過程でさらに自分自身の理解が進み、時に自分には欠けている部分を見つけ、行動を直すことができるのです。
これは私自身も身をもって体験しています。
学生時代にスポーツをやっていた頃、新しく入ってきた後輩にアドバイスをしたり、社会に出てからも研修や大学院の講義の講師を担当したりする中で、やはり自分が最も学んだな、という実感を持っています。
そこで気づいたこと、学んだことを、その後の自分の競技や仕事に反映したことは言うまでもありません。
さらに、人を育てるということは、周りのメンバーの能力を向上させることにつながりますので、チームとしてより高いレベルで仕事ができるということです。チーム全体が高いレベルになれば、その一員であるあなた自身も高いレベルの仕事に取り組めます。
すなわちこれは、チームメンバーに向けた行為のようで、実は結果として自分に返ってくるわけです。
「情けは人のためならず」と言いますが、人を育てることも、人のためにやっているようで、実は自分のためなのです。
人を評価することは、評価者の立場にあるないにかかわらず、すべての人が行っているものです。「あの人とは仕事がしやすい」「あの人は優秀な人だ」といったコメントは、誰でも一度はつぶやいたことがあるのではないでしょうか。
その中で時々「あいつ使えない」という表現を耳にします。リーダーからのコメントとして、逆にリーダーに対してのメンバーからのコメントとしても聞くことがあります。これは、チームワーカーとしての敗北宣言です。
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