中国ショート動画「快手」、国内事業の黒字化達成 売り上げ拡大しつつユーザー獲得コストを抑制

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快手はアプリのグローバル展開で、ライバルのTikTokに大きく水をあけられている(写真は快手の海外向けアプリ「Kwai」のウェブサイト)

中国のショート動画アプリ大手、快手科技(クワイショウ・テクノロジー)は8月23日、2022年4~6月期の決算を発表した。

同四半期の売上高は216億9500万元(約4353億円)と、前年同期比13.4%増加。純損益は30億5900万元(約614億円)の赤字だったが、一時損益を控除した非国際会計基準(非IFRS)の調整後純損失は13億1200万元(約263億円)と、赤字額が前年同期より73.8%縮小した。

調整後純損益の大幅改善は、売り上げ拡大を維持しながら新規ユーザー獲得費用を抑えた成果だ。決算報告書によれば、4~6月期のセールス・マーケティング費用は87億6200万元(約1758億円)と、前年同期の112億7000万元(約2261億円)より22.2%減少した。

注目すべきなのは今回、快手が(それまで明かしていなかった)国内事業と海外事業の業績を初めて開示したことだ。4~6月期の国内事業の売上高は215億9200万元(約4332億円)と、前年同期比12.86%増加。営業損益は前年同期の10億2600万元(約206億円)の赤字から、9362万元(約19億円)の黒字に転換した。

一方、4~6月期の海外事業は、売上高が1億300万元(約21億円)と前年同期の1000万元(約2億円)弱から急拡大した。海外市場向けアプリは、新規ユーザー獲得のためのコストがまだまだ嵩む時期にある。このため海外事業の営業損益は16億600万元(約320億円)の赤字だったが、前年同期の43億6800万元(約871億円)の赤字からは大幅に改善した。

海外展開はTikTokに大きく出遅れ

国内事業の黒字化は、見方を変えれば、快手の営業損失の相当部分が総売上高の0.5%に満たない海外事業から生じていることを意味している。

とはいえ、快手はアプリのグローバル展開ではライバルの字節跳動科技(バイトダンス)が運営するTikTok(ティックトック)に大きく水をけられている。ここで海外事業のアクセルを緩めるわけにはいかない。

現時点では、快手の海外向けアプリはKwai(クワイ)とSnack Video(スナックビデオ)の2つが主力になっている。前者は南アメリカ市場を中心に展開し、後者は東南アジア市場を主なターゲットにしている。

「2021年7~9月期以降、組織構造の見直しや経営効率の最適化、技術のアップグレードなどを通じて、新規ユーザー獲得や1日当たりアクティブユーザー数の維持に必要なコストを引き下げてきた。そのおかげで、4~6月期の国内事業の黒字化を計画より2四半期前倒しで達成できた」

本記事は「財新」の提供記事です

快手のCFO(最高財務責任者)を務める金秉氏は決算説明会でそう胸を張り、今後の方針を次のように述べた。

「わが社は引き続き利益を創出するビジネスモデルを追求し、売り上げ拡大とコスト削減の両立を目指す」

(財新記者:関聡)
※原文の配信は8月23日

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