左脳の機能失った脳科学者が教える、心軽くする技 「90秒ルール」で自分の感情回路を静観する
彼女に、前に進まなければならないとは言わないでください。なぜなら、今、彼女は自分の<キャラ2>に圧倒されているからです。左脳の感じる<キャラ2>は彼女の悲しみに巻き込まれているのです。
例えば、居間でリラックスしているとき、彼女の手をやさしくとって、こう言うんです。
「ねえ、ゾンゾンの小さな足の肉球がどれだけ柔らかかったか覚えてる? すごく柔らかかっただろう? あれで頬をなでられるのが好きだったなあ。ゾンゾンがいてくれて本当によかった。家族みんなを楽しませてくれたよね。恋しいなあ、きみもだろ? ゾンゾンのどんなことを覚えてる? 面白かった思い出を1つ聞かせてよ」
彼女にいい思い出を反芻(はんすう)させてあげるのです。そうして、彼女の<キャラ3>、右脳の感情を呼び出すのです。あの美しい猫を飼っていたときの喜びを、今この瞬間に思い出させてあげるのです。
喜びと愛情を<キャラ3>に植えつける
竹内:猫の写真を飾ってもよいと?
テイラー:もちろんです。あなたたちは、ゾンゾンのことをポジティブな形で思い出すべきなのです。
もちろん、ゾンゾンの不在を「悲しい、つらい」と思うときもあるでしょう。悲しみや嘆きの気持ちを一時的、ほんの90秒だけ持つことは悪いことではありません。この一時的な感情の持続時間を、私は「90秒ルール」と呼んでいます。
娘さんは「寂しくてたまらない」と、泣きながら言うかもしれない。そんなときは「うん、いままでと同じじゃないよね。家の中が違う気がするよね?」と確認し、痛みを共有し、家族の絆を深めてください。
そして、話をするんです。彼を飼いはじめたときのことや、爪を切ってあげたときに怖がったこと、トイレに閉じ込められたこともあったかもしれない。あのときはみなで笑いあったっけ、と。
彼のことをリアルに思い出して、今この瞬間によみがえらせる。悲しむことは悪いことではありません。喜びと愛情をあなたと家族の<キャラ3>に植えつければいいのです。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら