「24時間テレビ」マラソンに感じるモヤモヤの正体 今年はEXIT・兼近大樹さんが5年ぶり単独ラン

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日本テレビにしてみれば、「こちらから依頼しているうえに、事前の準備やケガなどのリスクがあるため報酬を払う」「他企画の出演者もいるため、ランナーだけ報酬や募金の額を明かせない」などの理由もあるでしょうが、それでは視聴者を納得させられないでしょう。

ならば、日本テレビがチャリティーランナーを指名するのではなく、「無報酬で走らせてください。むしろ参加費として○万円を募金します」という芸能人を募集し、その中から日本テレビがふさわしい人を選ぶのであれば、もう少し視聴者の理解を得られるのかもしれません。

関係者の思い入れとサポート体制

ランナーの人選、報酬と募金、猛暑の中での長時間ラン、感動を誘導するような演出などの問題点は、なかなか改善されないものの、それでも「『24時間テレビ』のチャリティーマラソンを毎年楽しみにしている」という人がいるのも事実。30年続く夏の風物詩であり、もし消滅したら批判の声がやむ一方で、「チャリティーマラソンロス」の声をあげる人もいるでしょう。

それは「24時間テレビ」を手がける日本テレビの関係者たちも同様であり、彼らにとってチャリティーマラソンは、年始の箱根駅伝に次ぐランニングイベント。思い入れは強く、「続けてほしいし、高視聴率が得られるとホッとする」という人が多いようです。

だからこそ、熱中症やケガなどによるリタイヤを避けるため、伴走者、体調管理、休憩所など、制作サイドのサポート体制は万全。チャリティーマラソンに携わる人々の配慮と努力は素晴らしいものがあり、その意味でも打ち切りは考えづらいところがあります。

一方、ランナーの芸能人たちは選ばれたことに名誉とやりがいを感じるようですし、彼らにとって意義深い仕事なのでしょう。その意味で兼近さんはプロの芸人らしく笑いを交えながら仕事として走り切ってくれそうな期待感を漂わせています。

はたして今年のチャリティーマラソンは、どのくらいの視聴率と募金額を記録し、どんな反響を得られるのでしょうか。兼近さんのファンではなくても、「けっきょく見てしまった」という人が多くなりそうな気がします。

木村 隆志 コラムニスト、人間関係コンサルタント、テレビ解説者

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きむら たかし / Takashi Kimura

テレビ、ドラマ、タレントを専門テーマに、メディア出演やコラム執筆を重ねるほか、取材歴2000人超のタレント専門インタビュアーとしても活動。さらに、独自のコミュニケーション理論をベースにした人間関係コンサルタントとして、1万人超の対人相談に乗っている。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』(TAC出版)など。

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