「パンダの心臓疾患は珍しい」神戸の旦旦を襲う病 2022年5月に中国が専門家を派遣、今の様子は?
ケージは、健診の内容によって3種類を使い分けている。1つ目は、最も大きなケージ。毎日のハズバンダリートレーニングのほか、聴診、エコー検査、心電図検査も、ほぼこのケージで行っている。
島村准教授は「心電図検査では動物をベッドに寝かせ、安静にして電極をつける必要があります。でも動物は『寝てください』の言葉が通じないので、簡単にはできません」と指摘する。
ところがタンタンは、横たわって、体に数本の電極を取りつけられても、ジュースを飲みながら、おとなしく心電図検査を受けている。これもトレーニングの成果や長年に渡り築いてきた飼育員との信頼関係のおかげかもしれない。きちんと検査するには、電極と肌を密着させる必要があるので、背中にも毛を剃った箇所がいくつかある。
健診中や健診後のご褒美は?
2つ目のケージは、主に採血をするときに使うケージ。1つ目よりも小さく、タンタンが前足を出せるように穴をあけ、そこに器具を取り付けている。
3つ目は、レントゲン撮影用に作ったケージ。大きさは2つ目と同じで、透明のアクリル板を取り付けている。レントゲン撮影では、タンタンが立った状態で両方の前足を上げて、頭上の棒をつかみ、なるべくアクリル板の正面に体が来るようにする。とても難しい動きだが、タンタンは上手にこなしている。
健診中や健診を終えた後は、ご褒美のジュースや好物のぶどうをタンタンにあげている。1日に与える食べ物は、5種類の竹、リンゴ、ニンジン、旬の果物などで、タンタンの状態に合わせ、日によって量を変えている。「最近は気分次第なので、日によって好みも食べる量も変わります」(王子動物園)。
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