「パンダの心臓疾患は珍しい」神戸の旦旦を襲う病 2022年5月に中国が専門家を派遣、今の様子は?

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

その後は症状が落ち着いていたが、2021年3月23日に再発。頻脈などの症状が続いた。運動量と食欲は減り、寝ている時間が増えた。王子動物園は、臨床症状や検査所見から総合的に見て、加齢に伴う心臓疾患の可能性が高いと判断。血液の循環機能が低下していると考え、投薬治療を始めた。王子動物園は、タンタンに心臓疾患の疑いがあることを2021年4月19日に公表した。

投薬治療に当たっては、連携協定を結んでいる大阪公立大学やCCRCGPから助言を受けながら対応している。大阪公立大学大学院獣医学研究科の島村俊介准教授は、タンタンにどのような検査をして、その検査結果をどう解釈すればいいか、王子動物園から相談を受けた。

主に犬猫の心臓疾患を研究している島村准教授は「犬猫の臨床で実施している中で、タンタンに使えそうな検査を提案させていただきました。心電図やレントゲン、エコー(超音波)、血液検査などです」と振り返る。

大阪公立大学大学院獣医学研究科の島村俊介准教授
王子動物園に協力している大阪公立大学大学院獣医学研究科の島村俊介准教授(筆者撮影)

寝室に酸素供給装置

精密な心電図検査をした結果、タンタンは、加齢や心筋の変性などにより、心臓の収縮力が低下して、不整脈(心拍数の増加、心拍リズムの異常)となっている可能性が高いと判明した。

このため、血管拡張薬などに加え、心臓の働きを助ける強心薬の投与を2021年4月24日から開始。飼育では、タンタンの心臓に負荷をかけないように配慮した。王子動物園は新型コロナウイルス対策で同年4月25日~6月20日に臨時休園となった。

治療を始めた頃は、タンタンの食欲や運動量が旺盛になり、活動量は増えた。だが2021年8月頃になると、再び食欲や運動量が減り、睡眠時間が長くなった。体重は増えた。食欲がないのに体重が増えたのは、体液が体内にたまる傾向にあるためだ。そこでタンタンの体にたまった余分な水分を取り除く利尿薬を、量をコントロールしながら投与している。

次ページタンタンの公開は?
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事