リスクを恐れる起業家では到底大成功はしない訳 系統立てて管理し引き受けて乗り越える力が重要

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多くの借金を抱えたとしてもそれを乗り越えられる能力があるかどうかが問題です(写真:Elnur/PIXTA)
起業から15年後の企業の生存率は、スタートアップ大国アメリカにおいても25 %にも満たないという。そのような中で「全米で読み継がれる伝説の教科書」と言われる『起業マインド100』の著者ケヴィン・D・ジョンソンは20代大学生で起業し、さまざまな企業を立ち上げた連続起業家であり、自らのマーケティングとコミュニケーション企業ジョンソン・メディアを社長として数百万ドル規模の会社に育て上げた。
本書より起業を成功に導く基本原則を3回にわたって連載。第2回をお届けする。

新しい市場を作り出せ!

2種類の起業家がいる。市場を開拓する者としない者だ。市場を開拓する起業家は革命的と見なされ、すでにできあがっている市場で競う起業家は平凡と見なされる。どちらのアプローチでもビジネスで成功できるが、調査によると、クリエイティブな起業家のほうが戦略的に有利なポジションにいるようだ。

ベストセラーになったビジネス書、『ブルー・オーシャン戦略――競争のない世界を創造する』(ダイヤモンド社)では、競合相手のひしめく業界〝レッド・オーシャン〟で競争するよりも、新しい市場〝ブルー・オーシャン〟を開拓したほうがいいという説得力のある議論を展開している。

著者のW・チャン・キムとレネ・モボルニュは同書のために、100年以上の期間にわたる30以上の業種の戦略的動向を研究した。また、新規事業を立ち上げた108社を対象にして、ブルー・オーシャンの開拓が売上高と利益に与える影響も数値で表した。キムとモボルニュの研究結果は驚くべきものだった。

調査の結果、新製品の86パーセントが製品ラインの拡大、つまり、既存の市場であるレッド・オーシャンの中で少しずつ改良されたものだとかわかった。だが、その製品は総売り上げの62パーセント、総利益の39パーセントしか占めていなかった。残りの14パーセントの新製品はブルー・オーシャンの開拓を目指した。こちらは総売り上げの38パーセント、総利益の61パーセントを生み出していた。

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