リスクを恐れる起業家では到底大成功はしない訳 系統立てて管理し引き受けて乗り越える力が重要

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ブルー・オーシャンを目指し、イノベーションを起こそうとすればリスクを引き受けなければならない。そしてリスクを引き受けるものこそが「起業家」と言えるのかもしれない。「リスク」こそ起業家を定義することばだ。ウェブスター辞典によるシンプルかつすばらしい定義が以下だ。「起業家とは、事業や企業のリスクを系統立て、管理し、引き受ける人」

そうなると重要なのは、リスクを理解することと、それをいかにして起業家としての要素に含めるかになる。同辞書の定義によると、「リスク」とは「損失の可能性」とある。この定義の最も興味深い点――これは一般的に信じられていることとは正反対だ――は、ネガティブな価値判断ではないことだ。

この定義は単に損失を被る可能性を示しているにすぎない。つまり、ある取り組みにおける損失の可能性は1パーセントかもしれないし、99パーセントかもしれない。このふたつのリスクレベルに対する対応と解釈が大きな違いを生む。

起業して事業を運営するとなると、起業家は一般人よりもはるかにリスクを許容する。カウフマン財団によると、起業して5年後、存続している事業は80パーセントもないという。さらに、サラトガ・ベンチャー・ファイナンスによると、そのうち株式を公開する事業は1パーセントにも満たないそうだ。このように、怖気づいてしまってもおかしくない勝算にもかかわらず、起業家は目標を追い求めるのを思いとどまらない。

成功のためのあらゆる障害を取り除く

とはいえ、起業家のリスク許容度が高いことがすべてを物語っているわけではない。たしかに起業家は高い確率で失敗する可能性を引き受ける。だが、必ずしもギャンブルが好きなわけではない。そうではなくて、起業家は自分に有利になるよう画策しながら、リスクを計算して引き受けるのだ。

成功する確率を上げ、失敗する可能性を最小限におさえるために、事業のリスクを最小限にしたり分散したりする方法を探す。起業家には、専門知識や強固な人間関係や個人資産さえ使っても、巨大な損失を生むような障害を回避したり、乗り越えたりする自信があるのだ。

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