リスクを恐れる起業家では到底大成功はしない訳 系統立てて管理し引き受けて乗り越える力が重要

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3
拡大
縮小

このデータによると、ブルー・オーシャンの開拓は利益になる。同書では、イエロー・テイル、シルク・ド・ソレイユ、ラルフ・ローレン、レクサスといった新しい市場を開拓して成功した事業の実例を挙げている。他にも、ブルー・オーシャン戦略を実践するためのプロセスをひとつずつ説明している。

若い起業家を指導する立場として、私は既存の市場に参入するのではなく、新しい市場を探すよう勧めている。大成功をおさめる可能性は、新しい市場の開拓にあるからだ。さらに私は学生たちに、偉大で裕福な起業家たちがいかにして唯一無二の存在になり、新しい市場を独占できたのかを学ぶために、彼らについて研究するよう伝えている。

イノベーションを生み出せ!

フォーブス誌が選ぶ最も裕福なアメリカ人、400人のリストを見ていくと、以前は存在しなかった市場を開拓し牽引している起業家の名前がたくさん見つかる。たとえば、マイケル・ブルームバーグは1981年に投資銀行を解雇されてから起業し、ウォールストリートの銀行や投資家に高品質の金融データを提供する草分けとなった。

ブルームバーグLPの前には、貴重なデータを迅速かつさまざまなフォーマットで提供する企業などなかった。同じく、ジェフ・ベゾスのアマゾン・ドットコムは、消費者が本をはじめとする商品を購入する方法に革命を起こした。このリストには、マイケル・デル、フィル・ナイト(ナイキの共同設立者)、ジョージ・ルーカスといった名前が続く。

もしブルー・オーシャンにいる起業家なら、大成功への道を歩んでいる。だが、レッド・オーシャンで競争しているとしたら、自身の会社で大きな利益を上げ、競合相手に対する優位な立場を保つために、イノベーションを生み出す戦略を採用する時期に差しかかっている。

次ページリスクは危険ではない
関連記事
トピックボードAD
マーケットの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT