悪質な「盗り鉄」、どんな鉄道部品が狙われやすい? 営業時間中に車両から取り外して持ち去る輩も

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1車両基地の一般公開で展示された車両部品。写真は新京成電鉄で例年実施される一般公開時のもので、過去に使用された車両のナンバーや行先表示が展示された(筆者撮影)

2022年6月、落石で長期にわたって運転を見合わせていたJR飯田線の車両から部品が盗まれるという事件があった。すで犯人が逮捕され、盗まれた部品は押収されている。

鉄道の趣味は奥が深く、実際に使われていた鉄道の部品を収集する趣味というのもあるのだが、今回の事件は収集癖が行き過ぎた例なのかもしれない。盗んでまで手に入れたいというのも困ったもので、ファンの間ですら「盗り鉄」などと呼ばれて嫌がられる存在なのだが、「盗り鉄」の目を引く部品があるのも確かなのだ。

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人気の鉄道部品は方向幕・サボ・銘板

鉄道部品は、車両が引退や老朽化した部品の交換などをきっかけに流通することがある。鉄道のイベントなどで部品即売会などが行われることがあるほか、新型コロナウイルス感染症が蔓延する少し前から、インターネット上で使用済みの部品を販売する事例もよく見るようなっている。 鉄道部品も様々なものがあるが、人気のある部品として方向幕・サボ・銘板の3つを挙げることができるだろうか。

方向幕とは列車の行先を表示するもので、最近ではLED式と呼ばれる電光表示が主流となっているが、字幕式と呼ばれるフィルム状の方向幕の人気が根強い。行先をまとめたものでは1つの表示器で数十コマが収録され、これを広げた時の迫力は圧倒するものがある。

この方向幕には行先のほか、回送や試運転といった表示も含まれていたりする。運行支障に備えて、普段は設定のない行先が含まれているほか、将来的な路線延伸やダイヤ改正で行先の設定を変えることを見越して、「あり得ない行先」も盛り込まれている。普段は見られない行先を発見するのも楽しみの1つで、部品即売会で入手した方向幕をその場で確認すると、周りに人だかりができて「こんな行先があるのか!」と鉄道談義に花が咲くこともあるのだ。

サボも行先表示の1つで、プラスチックやホーローでコーティングされた鉄板に行先を表示したものだ。ちなみに、「サボ」とは「サインボード」を略したものとされている。

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