「他人に敬意を払う」オーストラリアの同意の教育 相手に対する思いやりのある行動へとつながる

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

リスペクトされるって、どんな気持ちか知っていますよね。相手に、自分の身体的な安全や、感情的欲求や気持ちを気にかけてもらえたとき、リスペクトされているのを感じます。リスペクトされるというのは、相手に大切に扱われることなのです。

大人からのリスペクトは、ちゃんと見てもらえていると感じて、安心します。同級生からのリスペクトは、たとえそれが、「トイレに行ってる間にお弁当を見てるよ」、というだけのことでも、信頼を感じられます。

同じように、自分をリスペクトする=自尊心を持つことは、自分のニーズや尊厳を気にかけるということです。つまり、自分に優しくなることです。自分の気持ちや、選んだことを大切に考えて、自分の身体のボスでいてください。また、自分が何かをするときも、ほかの人に何かを頼むときも、リスペクトが関わってきます。

リスペクトは、親子、親友、教師と生徒、恋人同士など、1対1の関係では、とても大切なことで、相手への思いやりのある振る舞いにつながります。リスペクトするということは、お互いが、かけがえのない存在であること、優しさに値する人だと考えているということです。

同意には、リスペクトが絶対に必要です。リスペクトは、同意する/されるときに必要とされるすべての過程を支えてくれ、最後まで導いてくれるのです。

身体のボスは永久に自分自身

誰かすごく好きな人に触れたいと思うことがあるかもしれません。誰かの身体に性的刺激を受けたり、興味を持ったりするかもしれません。もしかしたら、自分がその対象になることもあるでしょう。

でも、ほかの人の身体のボスは永久にその人自身で、自分の身体のボスは永久に自分です。誰かとつきあったり、性的な関係を持ったとしても、自分の身体のボスはつねに自分だし、相手の身体のボスにもなれません。

相手の着るものや、食べるものや、性的行為に関しても、指示する権利はお互いにないのです。どんなに愛し合っても、どんなに深くかかわりあっていたとしても、身体のボスは、その人自身だけです。

次ページどんな関係であっても拒否をする権利はある
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事