子どもを水難事故から守るために知っておくこと なぜ手を挙げて大声で助けを呼ぶのはNGなのか
夏になると増える水難事故。日本では毎年200名ほどの子どもが溺れて命をなくしている。水泳教育者の菅原優氏は、「泳ぎが上手くても海や川で溺れる可能性は大いにある」と言う。水難事故を防ぐために必要な知識について聞いた。※本稿は菅原氏の著書『子どもに必要な能力はすべて水泳で身につく』より一部抜粋・編集してお届けします。
海よりも河川での死亡事故の方が多い
子どもが亡くなる水難事故は「海」よりも「河川」で多く発生しています。場所別では、「河川」が最も多く58.1%、「海」が16.1%と続きます。河川での死亡事故のほうが海より3.6倍ほど多くなっています。
日本では毎年200名ほどの子どもが溺れて命をなくしていますが、カンボジアでは毎年その10倍の2000名以上の子どもが亡くなっています。毎日6人の子どもが溺れて亡くなっている計算になります。私はカンボジアの水難事故を減らすため、大阪YMCAなどが母体のAQUA WATCH ASIAプロジェクトに参加しています。
そこで、溺れないためにはどのような行動を取ればいいか、溺れたときにはどのような対応をすればいいかについて解説します。
「背浮きで待つ」4つのポイント
海でも河川でも、溺れたときは「浮いて待つ」ことが基本になります。特に「背浮き」は呼吸を確保しやすく、焦らず助けを待つことができます。背浮きは、手足を大の字に広げたほうが体のバランスを取りやすく、浮かびやすくなります。
「背浮きで待つ」ポイントは次の4つです。
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