2つめは「気持ちを吐き出す『場』をつくる」ことである。
オンライン空間においてもインフォーマルな「場」は必要
リモートワークから生まれるマイナス面を最小化するためには、新たな「場」の創出が必要不可欠である。
人と人がつながり、人間としての感情を上手に吐き出す「場」が求められている。これまでは職場というリアルな「場」があり、一緒に仕事をすることによって共同体意識、仲間意識、連帯感が生まれた。
とりわけ、リモートワークで大事なのが、インフォーマルな「場」である。
たとえば、オフィスで勤務するときには、オフィスでの何気ない「雑談」、廊下ですれ違いざまの「立ち話」など、ちょっとした情報のやりとりがビジネスのヒントになったり、人と人との垣根を取っ払ったりする役割を担っている。
オンラインでのリモートワークでは、どうしても業務上の無機質なやりとりのみに終始しがちである。
オンライン空間においても、インフォーマルな「場」を設けることによって、「ムダ話」や「雑談」、ちょっとした「相談」を気軽にできるようになる。
「オンラインランチ」「オンラインおやつタイム」など、気楽に参加でき、気持ちを吐き出せるハードルの低いインフォーマル・コミュニケーションの「場」を意図的につくることが必要である。
オンラインコミュニケーションの課題のひとつは、相手の反応がよく見えないことである。1対1であればまだしも、それが多人数参加の会議やミーティングだと参加者の顔色や様子が伝わってこない。
こうしたオンラインミーティングにおいて大事なのは、参加者が意識的に「大きく」反応し、相手に伝える努力をすることである。
しかし、「大きく」といっても、大声を発することではない。「拍手」などのリアクションボタンを用いたり、モニター越しに賛成の意思表示をしたりするなど、オンラインならではのマイナス面を補う「新たな作法」を身につける必要がある。
若い世代はこうした「作法」が身についている人が多い一方、「昭和世代のおじさんたち」は「照れ」なのかどうかわからないが、無愛想で、反応が見えない人が少なくない。
しかし、「暗黙が通用する時代」は終わった。オンラインコミュニティーでは自分の感情を「形」として表現しないと伝わらない。
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