『現場力を鍛える』『見える化』など数多くの著作があり、経営コンサルタントとして100社を超える経営に関与してきた遠藤功氏は、「私たちがいまコントロールできることは、経営者と社員が一丸となり、健全で良質なカルチャーを手に入れることである」という。
このたび、組織の「土壌」である「カルチャー」を真正面から解説し、「組織を変える」「組織を劇的に強くする」方法を1冊にまとめた『「カルチャー」を経営のど真ん中に据える 「現場からの風土改革」で組織を再生させる処方箋』が発売され、発売後たちまち大増刷するなど、話題を呼んでいる。
その遠藤氏が『日本の大問題「風土が劣化した、重い組織』5大症状」について解説する。
「風土劣化」の大きな原因の1つは「重い組織」
私は30年以上にわたる「経営コンサルタント」のキャリアの中で、4社の外資系ファームで仕事をし、そのうち3社ではパートナー(共同経営者)としてその役割を担ってきた。100社以上の会社と濃密なお付き合いをし、ここ10年近くは複数の会社の社外取締役、社外顧問としても経営に関与している。
会社組織が成長していくには、健全で良質な「土壌(カルチャー)」が必要だ。そして、その健全で良質な「土壌」をつくるには、「組織風土(整地化)」と「組織文化(肥沃化)」という2つの要素が必要である。
「組織風土(整地化)」は、土をならし、良好な通気と通水をはかり、雑草や石ころを排除し、植物の成育に適するように整えるというとても重要な役割なのだが、この役割がうまく機能できず、どんどん劣化していく残念な「重い組織」も数多く存在する。「重い組織」は、組織が重苦しい空気に覆われ、社員たちはその重圧で押し潰されてしまっている。
では、「重い組織」は、なぜ健全で良質な「土壌」がつくれないのだろうか。まずは日本企業に多い「重い組織」にありがちな主な5つの症状を紹介する。
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