最後は「経営者が『計画』しか語らない」ことである。
日本企業が活力を失っていった1つの理由に、「中期経営計画」の存在があると思っている。どの会社でも経営企画部などが主導して「中計」を策定する。しかし、そのどれもが一見もっともらしく見えるが、無味乾燥の面白くもなんともない文字と数字の羅列である。
「計画」に社員を鼓舞する力はない。社員たちをワクワクさせ、鼓舞するのはあくまでも「ビジョン」という思いであり、経営者から発せられる「言葉」である。いま日本企業に必要なのは「ムーンショット(moonshot)」である。
人類を月面着陸させるという壮大な挑戦にも似た、前人未到で非常に困難だがワクワクするような野心的な「ビジョン」こそが、社員たちの心に火をつけ、行動に駆り立てる。経営者は「計画」を語ってはいけない。
いま語るべきは、周囲から「ホラ」と思われるかもしれないほど熱気のこもった壮大な「ビジョン」である。しかし、風土が劣化する「重い組織」の経営者は、この「ビジョン」を語ることなく、ただただ「計画」のみを語っている。
「何でも自分たちでやる」という原点に立ち返る
カルチャー変革とは「重い組織からの脱却」でもある。私たちは「何でも自分たちでやる」という原点に立ち返らなければならない。
自分たちでやるからこそ多くの学びがあり、それが独自のケイパビリティにつながる。そして、「自分たちから動く」という健全なカルチャーにもなる。
ぜひ、自分たちから動いて「重い組織」から抜け出して進んでいってほしい。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら