初公開!「相続税の対象者が多い」自治体はどこだ 最新データで判明した、「富裕層はここにいる」

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相続税の課税割合が最も高かったのは、東京都千代田区で39.4%。被相続人の10人に4人近くが課税されている(写真:JIRI/PIXTA)

富裕層はいったいどこに多く住んでいるのか━━。

日本全国で相続税の課税人数は、年間約12万人いる(2020年)。被相続人(死亡者)が年間約137万人だから、「課税割合」(=課税人数/死亡者数)は8.7%だ。ざっと100人に8人以上が該当している計算になる。

課税割合は2000年には5.0%だったが、その後の少子高齢化に加え、2015年の相続増税(非課税枠の縮小)で一気に対象者が広がり、2020年には8.0%に跳ね上がった。被相続人1人当たりの課税価格は1億3128万円、同じく相続税額は1641万円である。

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この課税割合も、つぶさに見ると、地域ごとの違いが見えてくる。全国47都道府県別では、最も高い東京都で17.0%、最も低い秋田県で2.5%。東京都の場合、それだけ相続税を払っている人の割合が高い。

さらに細かく市区町村で見比べることも可能だ。国内には現在、国税庁傘下に、11の国税局(他に沖縄国税事務所)と、524の税務署が存在する。今回、各税務署が公表する相続税の申告実績をすべて入手し、課税割合が高い税務署別に並べてランキング化した。

必ずしも税務署の管轄が市区町村ごとに分けられているわけではないが、おおよそその地域ごとの傾向はわかる。実数のデータは税理士法人最大手の辻・本郷 税理士法人から提供を仰いだ。なお死亡者数は厚生労働省の「人口動態統計」や各都道府県の人口統計年報データを使っている。

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