今回のクラウンクロスオーバーの変化は、ボディタイプだけではなく、パワートレインにもおよぶ。従来のクラウンは、伝統的に縦置きエンジンに後輪駆動というレイアウトを踏襲してきたが、クラウンクロスオーバーにおいては横置きエンジンの前輪駆動をベースにした4WDというまったく異なるものとなった。
そのパワートレインは、すでに多くのトヨタ車に採用され、実績のある2.5Lシリーズパラレルハイブリッドシステムと、2.4Lデュアルブーストハイブリッドシステムの2種類が用意されている。
燃費よりもパワーを求めた2.4Lハイブリッドモデル
2.4Lハイブリッドモデルは、従来の燃費を優先したハイブリッドとは異なり、デュアルブーストという名前のとおり、エンジンに搭載されたターボとモーターの2つを併用して動力性能を高めたものとなっている。エンジン単体でも200kWという高い出力を持っているが、そこにバイポーラ型ニッケル水素電池とハイパワーモーターを組み合わせることで、システム最高出力は257kWという高出力を実現している。つまり、モーターを燃費のためではなく、パワーのために使うシステムということになるわけだ。
そのため、モーターのみで走行できず、燃費性能も2.5Lハイブリッドが22.4km/Lなのに対し、2.4Lハイブリッドは15.7km/L(ともにWLTCモード燃費)となる点や、使用燃料も無鉛プレミアムガソリンとなる点は注意が必要かもしれない(2.5Lハイブリッドはレギュラーガソリン)。
そして、そこに組み合わされるトランスミッションも従来のハイブリッドモデルのような電気式無段変速機ではなく、ダイレクト感溢れる走りを楽しめる6速ATとなっている点も大きな違いとなっている。さらに電気式4WDシステムも専用設計となり、前後輪トルクを100:0~20:80の間で制御することで、FRに近い走りを楽しむことができる味付けとなっている点も特筆すべきポイントだろう。
そのため、積極的に走りを楽しみたいのであれば2.4Lハイブリッドモデルを、フラッグシップモデルらしい穏やかで低燃費な走りを求めるのであれば2.5Lハイブリッドモデルを選ぶのがベストと言えそうだ。なお、2.4Lハイブリッドは「CROSSOVER RS」系、2.5Lハイブリッドは「CROSSOVER G」系に搭載される。
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