アメリカでも、「大量離職(グレート・レジグネーション/Great Resignation)」と呼ばれる傾向があります。これは「ビッグ・クイット(Big Quit)」「グレート・リシャッフル(Great Reshuffle)」とも呼ばれ、2021年初頭から始まった、多くの社員が自主的に退職する経済トレンドです。
原因には、生活費上昇の中での賃金低迷、仕事への不満、パンデミックによる安全性への懸念、リモートワーク施策の充実した企業への就職希望などがあります。
カフェでは外国人が働き手になっている
コロナ禍では、サービス業や保育従事者など、ロックダウンの影響を受けた産業で特に多くの女性が解雇の対象となりました。一方でパンデミックは労働者が自らのキャリアや労働条件、長期的な目標や今後の行き方を考え直すきっかけとなり、パンデミックが一段落した今でも、元の仕事に戻りたい、と考える人が減っているというわけです。
雇用する側にはリモートワークの自由度と、スケジュールの柔軟性を求める傾向が強まっています。若者はこれまで以上にワークライフバランスを重視しているのです。
フランスに話を戻すと、今、カフェやレストランで働くウェイターのほとんどは外国人です。パリの中心部にある大きなカフェテラスの陽気な店長、カタリナに話を聞くと、彼女と彼女の同僚はルーマニアからきたと説明してくれました。キューバ人とロシア人のハーフのウェイターもいるそうです。
この夏は多くの学生も働いているそうです。「みんな、ここで働けて幸せです」と、カタリナは満面の笑みを浮かべます。「ただ、私自身は再就職の可能性を考えて、会計士の資格を取りました。9カ月間、会計事務所で働いた後、サービス業に戻ることにしました。私は人と接することがとても好きなんです」。
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