横山剣「想像していなかった」60代で知った楽しさ 若い頃は28~32歳くらいを大人と思っていた
──横山さんが憧れる、カッコいい人とは?
横山:母親の影響で、子どもの頃から福澤幸雄さんやミッキー・カーチスさんなど、レーシングドライバーに憧れを抱いていました。彼らが行きつけにしていた飯倉にあるレストラン『キャンティ』やホテル・オークラのカフェなど連れていってもらいましたから。あの当時に出会った方々の、カッコよさを今も追求している部分があります。
──やはり、カッコよさとクルマは深いつながりがあるのですね。
横山:クルマは、自分にとって切っても切り離せない存在。曲のアイデアは、ほとんどドライブ中に思い浮かびますし、完成した楽曲も運転中に聴いて心地いいかどうかがポイントになっていますから。
価値観をひっくり返してくれるモデルに出合いたい
──今、気になる「クルマ」はありますか?
横山:長年、ガソリン車に愛着をもち、親しんできましたが、そんな価値観をひっくり返してくれるぐらいスタイリッシュでグッとくるモデルに出合えるなら、水素カーや電気自動車もありだと思いますよ。強いて言えばポルシェのタイカンなんて非常に心引かれるものがあります。
──『樹影』のジャケットにもクラシックカーが登場しています。
横山:これは1966年式のバラクーダ(プリムス)。小学生の頃に見たクルマの本に掲載されていたのをきっかけに知って以来、ずっと欲しいと思っているクルマです。多少は流通しているので、ガソリン車が禁止になったら、EVにカスタムして乗るか、あるいはボディーだけでも保管して中に植木を入れて庭に飾るのもありかなって。リアル『樹影』ですね(笑)。