以上により、コロナ禍の反動による「消費支出」の増加と「食料費」の実質消費の減少により、2021年以降のエンゲル係数は低下傾向にあることがわかった。しかし、いずれも一時的な要因と考えられ、今後はエンゲル係数が上昇するリスクが大きいだろう。
この先さらなる値上げがありそうだ
食品値上げについてはこの先一段と進む可能性が高い。冒頭に述べた帝国データバンクの調査では、2022年に値上げが予定されている品目の6割程度が7月以降のことであり、本格的な価格上昇はこれからだ。さらに、円安などの影響を受けて、今後新たに値上げが決定される品目も多く存在するだろう。「実質的な」食料費の減少で値上げの影響をカバーすることにも限界が来るとみられる。
エンゲル係数の解釈をめぐってはさまざまな議論があるが、食品値上げに伴う「食料費」の増加による上昇であれば、家計の生活水準の低下を示しているといえるだろう。今後は生活水準の低下によって個人消費に負の影響が及ぶことは不可避であると考えられ、国内景気の悪化が懸念される。
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