歴史的な食品値上げなのにエンゲル係数低下の謎 今後「家計の苦しさ」は過去最高となるのか

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食品値上げが続いているのにもかかわらず、エンゲル係数(「食料費÷消費支出」)が低下している要因を整理するため、2021年以降のエンゲル係数の変化を、分母である「消費支出」による要因と分子である「食料費」による要因に分解した。

これを見ると、足元のエンゲル係数の低下は「消費支出」による要因が大きいことがわかる。すなわち、エンゲル係数の「分母」が大きくなったことで、全体が低下している。

しかし、「食料費」もエンゲル係数を低下させる方向に寄与している。これは、食品価格高騰のイメージとは大きく異なる結果である。

以下では、「消費支出」と「食料費」のそれぞれについて変化を調べた。

脱コロナで「消費支出」が足元では増加

まず、分母である「消費支出」については2021年以降ではエンゲル係数を低下させる方向に寄与していたが、2020年以降の2年半の期間でみるとエンゲル係数を押し上げる方向に寄与している。

この背景にはコロナ禍による対面型サービス消費などの減少とその後の経済再開による消費回復があったと考えられる。

すなわち、2020年以降にコロナ禍の下で対面型サービス消費を中心に、エンゲル係数の分母である消費支出が抑制されていたため、結果的にエンゲル係数が上昇したと考えられる。一方で、2021年以降はこれとは逆に経済活動が正常化に向かうにつれて「不要不急支出」が回復基調となり、「消費支出」全体が押し上げられて、エンゲル係数が低下した。今後も、家計の消費全体が回復していくことがエンゲル係数の押し下げ要因となるだろう。

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