転職面接「今の会社が嫌い」なままでは落ちる必然 ネガティブな気持ちは確実に見抜かれてしまう

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キーワードは不満の「成仏」。決して「うまく不満を覆い隠せ」という小手先のテクニックやうまい嘘のつき方の話ではありません。

Bさんは「もうこの会社とは縁を切ろう。退職だ」と決めたときから、その不満を口には出さず、書き留めていたそうです。

「駅から会社への距離が遠い。夏は暑くて冬は寒くて最悪」や「うちの営業部の成績が悪いのは商品がそもそもダメ」といった内容も含まれていました。そこまですべて書き出し、不満を全部吐き出し終わっていたからこそ、Bさんはすっきりした状態で転職の面接に臨めていたのです。

転職面接が近づいている相談者さんに私は、Bさんのように会社への不満、上司への不満、同期への不満などをどんどんノートに書き殴る行為をおすすめしています。それを私は「退職成仏ノート」と名付けています。

不満が底をつくと「面接官の気持ち」がわかるように

いちばん大切なポイントは「自分にもちょっとは非があったかもしれない」「相手の言い分はあるだろうか」とブレーキがかかり始めても書き続けることです。誰に見せるわけでも評価されるわけでもありませんから「うわ、これが私の本性か」とへこむ必要もありません。

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「退職成仏ノート」なんて、たかが不満を書き殴る行為と思われるかもしれません。不満は本来、本音の一部であり、大切なものです。それなのに私たちは会社の中で、普段の生活の中で不満を出すことを奨励されていません。常に本音を抑え込んでいるのです。そんな不満状態が半年、1年と続くと「気をつけているのに、面接の中で不満が態度に出ていた」なんてことになります。

転職の面接では怖いくらいに本音が出るものです。人事や経営者は、面接時ににじみ出る本音を見てもいます。

自分の頭と心をスッキリさせると「採用企業は何を考えているんだろう」という採用側の目線を想像できるようになります。採用活動をしているすべての企業は、課題を抱えています。「その課題なら私が解決できます。なぜなら〜」と話せる人が、複数の内定を取っていくのです。

佐野 創太 「退職学 ®」研究家

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さの そうた / Souta Sano

1988 年、静岡県浜松市生まれ、神奈川県横浜市育ち。慶應義塾大学法学部政治学科卒。 経営者の父と人事担当の母から、退職トラブルなどの人の悩みを聞きながら育つ。2012年、大手転職支援会社に新卒で入社。シンクタンクに転職するも1カ月で早期退職し、無職に。新卒で入社した企業に契約社員として出戻り、新規事業責任者として求人サイトを立ち上げ。介護離職を機に 2017 年「退職学 ®」の研究家として独立。これまでに1000名以上の働き方相談を実施し「退職後も声をかけられる人」を育てる。退職者の本音に触れる立場から、退職者をファンにする「リザイン・マネジメント」を提供。妻と子どもの3人暮らし。(Twitter:@ taishokugaku)

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