最後は、紙袋を「アーティストのような作品に仕上げる」秘訣です。
絵を本物のようにリアルに、立体的に見せるために、「陰影」をつけることは欠かせません。
紙袋のレッスンでは、「袋のしわ」や「奥行き」を表現するために、陰影が大事なポイントになるので、陰影をつける前に「影のマップ」をつくります。
絵のなかで、とくに暗く見える影の部分を基本図形で配置すると、ひとつの長方形をのぞき、すべて三角形になりました。
折りたたんだ口の正面や大きな三角形の周辺など「光の当たっている部分」を残して、マップのとおりに陰影をつけていきます。暗く見える部分の陰影をさらに際立たせ、マップ以外の部分にも陰影をつけます。
4つめの「仕上げ」のステップでは、袋の口に「厚み」を描き加え、袋が絵の中の地面につくる影を描き込みます。さらに、自分の指や折りたたんだティッシュなどで陰影をぼかしてみると、より洗練された絵に仕上がるので、ぜひやってみてくださいね。
「絵を描くこと」を通して世界が変わる
ありふれた紙袋にじっくり向き合ってみると、とても描きがいがありましたね。身近なものが「世界でたったひとつのアート」になる楽しみを味わっていただけたでしょうか?
「絵が苦手」と感じている人、あるいは「描きたいけれどハードルが高そう」と思っている人は、「絵を描くこと」に対する、ある種の思い込みがあるように思います。
本当は、絵が描けるようになるためには、膨大な時間も特定の場所も必要ではないのです。それを実践的な方法で紹介する「キスラー流30分方式」を試してみると、絵が上達するばかりでなく、これまで気づかなかった楽しみが身のまわりにあふれていることを、きっと実感していただけるはずです。
じっさい、私は世界中の数万人の子どもたちに直接会って絵の描き方を教えるなかで、子どもたちが「好奇心」や「自己肯定感」を高め、イキイキと目を輝かせる姿をたくさん見てきました。
ちょっと絵が描けたら、仕事でも日常生活でも、何かと便利なものです。大人のみなさんも、きっと「絵を描くこと」を通して、自分でもびっくりするような「日常に素敵な変化」が訪れることを願っています。
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