中国でブランド人気を決める「プロ消費者」の存在 メディアからの情報を多用する日本との違い

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国を問わず、私たちを含めた多くの消費者は、スマホを使ってSNSから情報収集をしています。

皆さんの普段の行動を思い返してもらいたいのですが、SNSの情報を見る際に、じっくり時間をかけてチェックしているでしょうか。バナーやポップアップで出てきた広告を、全部タップしているでしょうか。おそらく、そんな人は相当少ないと思います。

つまり、たくさんの情報を発信しても、ターゲットには効果的に届かないのです。そのような前提に立ち、伝えたいメッセージの中で、何を優先的に伝えるべきかを考えていきます。

現実的な制限として、法律によって使えない言葉も国ごとにたくさんあります。

例えば、日本では比較的なじみのある「オーガニック」という言葉は、中国では制限によって簡単に使うことはできません。日本でも、化粧品や健康食品に関しては薬事などの厳しい制限がありますが、どの国でも同様の制限があり、その種類や程度は国によって異なります。

ブランドの資産を現地に合わせてカルチャライズする際にも、重要となる概念やワードに関しては、事前に法的なチェックを済ませておくほうが安心です。

まずはコミュニケーションやプロモーションを通して、どのようなイメージや情報が伝わっている状態を目指すのか。そのためにはブランドが優先的に伝えることは何か。ターゲットから派生するように狙う情報は何なのか。このような理想的な順序も含めて定めていきます。

日本と中国のメディア接点の違い

消費者が商品を認知し、購入に至るまでの流れを示したものに「ファネル構造」というものがあります。

ファネルとは日本語で「漏斗」を意味します。逆三角形の上から下に流れていく様子は、どのフェーズの消費者に対して、どのメディアで接点を持つべきかを表しています。

書籍より引用

 

ファネル構造では、3つの階層から消費者の接点を見ていきます。

まずは一番上の層、トップファネルは消費者が商品・サービスを認知する入り口を意味しています。真ん中のミドルファネルは、消費者がより詳しく知り、比較検討していく段階で、ボトムファネルは実際に購入する段階です。下に行くほど消費者は購入へと近づいていき、消費者の対象も絞られていきます。

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