井上団長は本のコーチもしており、「ドライバーの飛距離は280、290ヤードぐらいだと思います。飛距離で勝負するタイプではなく、むしろ飛距離を犠牲にして思ったところに打っていくタイプ。高い弾道で止める、高校時代に見た松山英樹選手と同じイメージがあります」と、本の特長を挙げる。
距離が長いコースには飛距離が必要、という概念があるが、飛距離だけを求めるのではなく、多少飛距離で劣っても思ったとおりのところにボールを運ぶ技術があれば世界で戦えることを示した優勝でもあった。
全米のゴルフ部のコーチが視察に来る
この世界ジュニアには、全米の大学ゴルフ部のコーチが視察に来る。今回も80大学以上のコーチが足を運んでいる。本は「第1ラウンドでは誰も来なかったけど、第2ラウンドで66出したら、メッセージカードをもらった」と、12枚のカードを手にしていた。今後の進路にも大会でのパフォーマンスが影響してくる。
世界ジュニアは、大学側も、そして本人にとっても「将来」をつくる大会でもある。日本選手団からも過去に何人かがアメリカ留学の道に進んでいる。大学の授業料なども含めて、普通に行けば1000万円単位の費用がかかるといわれる。
しかし、コーチらに見いだされて奨学金を得れば、留学は手が届かないことではない。そのためには、留学するための試験をクリアする必要があるので、勉強もしっかりしなくてはならない。ゴルフだけではなく、勉強との両立もこれからの選手には必要になるだろう。
日本から世界ジュニアに代表選手団として参加するには、前述したPGM世界ジュニア日本代表選抜大会を勝ち抜かないといけない。または、個人で全米各州の予選に参加して出場権を得る方法もある。かつては日本から参加申し込みすれば個人で出場できたこともあったが、参加国、人数が年々増えてきて、2011年からはこうした「資格」が必要になっている。
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