Xディアベル・ネラから感じたドゥカティの鼓動 世界限定500台、貴重な1台の走りを体感する

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ハンドルロックスイッチ兼用のメイン電源(東洋経済オンライン編集部撮影)
ハンドルロックスイッチ兼用のメイン電源(東洋経済オンライン編集部撮影)

キーレスエントリーのおかげで、紛らわしいステムまわりへの左手のアクセスから開放されている。メインスイッチは、右手側にあるキル/セルスイッチの真下に配置されたボタンがハンドルロックスイッチと兼用のメイン電源だ。軽く1度プッシュするだけで、カラーモニターにマシンのアニメーションが映し出される。

ほどなくすると走行メーターが表示され、あとはセルを押すことになる。大排気量ツインエンジンの常ではあるが、少しだけ長めのクランキングを経て、L型2気筒DVT1262ccテスタストレッタエンジンに火が入る。極めて精密に調教されたエンジンは、冷間時でもタコメータの針が微動だにせず、安定したアイドリングを刻む。

今回の車両は、専用シートではなく、スタンダード仕様にあたるXディアベルのものが装着されていた(東洋経済オンライン編集部撮影)
今回の車両は、専用シートではなく、スタンダード仕様にあたるXディアベルのものが装着されていた(東洋経済オンライン編集部撮影)

今回の撮影車両に本来装着される専用シートは、残念ながら新オーナーのために温存され、代わりにスタンダード仕様にあたるXディアベルのシートを装着しているが、ある程度の厚みのおかげで臀部を包み込むような包容力のあるシートであることがわかった。ステップは、通常のディアベルとは違い、フォワードステップとなったこのモデル。実際に乗ってみると、予想以上に前方に足を投げ出す乗車姿勢が少し気になった。慣れるまではマシンの加重・抜重のタイミングが遅れがちだったが、それも大きな問題ではない。

ドゥカティのクルーザーへのアプローチ

筆者による試乗シーン(東洋経済オンライン編集部撮影)
筆者による試乗シーン(東洋経済オンライン編集部撮影)

走り出してわかったことは、優れた乗り心地と快適性というクルーザーにとって必要な条件と、コントロール性を兼ね備えていることがすぐに体感できた。例えば、都内のゆるやかなコーナー中のレーンチェンジや、信号時の極低速領域での安定感からくる安心の扱いやすさは、247kgの装備重量を完全に忘れさせてくれる。ロール方向の予測も立てやすいマシンだ。しかし、それらは、市街地での極低速、エンジン回転はわずか2000~3000rpm、時速50km/h以下での話だ。

一路、Xディアベル・ネラで高速道路に向かう。その際に料金所からの加速が要注意だ。とくに3段階から選べる「スポーツモード」を選択した場合、フルパワー仕様になるので、その加速に体を持っていかれないようにしなければならないだろう。スポーツモデルのように低いライディングポジションとは違い、Xディアベルのライディングスタイルでは、一気に体が後ろへ引っ張られてしまう。

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