健康になる「体の整え方、鍛え方」情報のウラ事情 ベテラン編集者が教える「筋トレ∔αの真実」

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ここ最近、筋肉のもつ役割や機能が見直され、それほどハードではない筋トレでもすぐれた健康効果が得られることがわかってきました。アスリートや美魔女を目指しているわけではない、普通の中高年向けの筋トレ本が増えているのです。

健康書100冊を精査してわかったことは、「正しい姿勢」を支える筋肉を鍛えること、「見えない筋肉」を鍛えることが、健康維持のためにとても重要だということです。

「2人に1人はがんになる時代」の筋トレ

でも、さまざまな筋トレメニューがあるなかで、何をすればいいのでしょうか。実は、東大名誉教授の「筋肉博士」石井直方さんも、医師で作家の鎌田實さんも、自律神経研究の第一人者の小林弘幸さんも、自らの実生活で「ゆっくりと行うスクワット」を実践していることを告白し、スクワット指南の健康書を出しています。

ベストセラー健康書を出している著者たちがそろってスクワットをすすめているので、筋トレを始めるとしたら、まずはスクワットがいいのかも。

なお、60代に入ってから二度のがんを克服した「筋肉博士」の石井直方さんによれば、スロースクワットは、ロコモ・フレイル予防だけでなく、がん対策にもなるとのこと。これは、スロースクワットをすればがんにならずに済むということではなく、がんになってもさまざまな治療に耐えられる“がんと闘える体”になれるということだそう。

ならないための努力をいくらしても、がんになってしまう場合があることを考えると、“がんと闘える体”になっておくという視点は、「2人に1人はがんになる」といわれる今の時代にとても有効かもしれません。

スクワットは、やり方(フォーム)しだいで体にかかる負荷がかなり変わる。実践する場合には、自分に合ったスクワット健康本を選んで、やり方をしっかりチェックすることがおすすめ(画像:主婦と生活社)
「筋トレ」について、ベストセラー健康書100冊を精査してわかったこと
① 老後の家計が安心できるほどのお金を貯める「貯金」は大変だが、将来の寝たきりを防ぐ筋肉を貯める「貯筋」はカンタン。
② 「正しい姿勢」を支える筋肉を鍛えることが、健康維持にはとても重要。
③ 超高齢社会が進む現代では、「見せる筋肉」を鍛えるよりも、「見えない筋肉」を鍛えるほうがおすすめ。
④ さまざまな筋トレメニューからひとつだけ選ぶとしたら、おすすめはゆっくりの「スクワット」。がん対策としても有効といえそう。
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