ただ、多くの人のホロスコープを読み解いていると“運気の良い人”って確かにいて、それは興味深いなと。そういう方は、占いを知らなくても、宇宙の星の動きを自然と察知して、その動きに忠実に生きているんですよね」
“星の動きに忠実に生きる”とはどういうことだろう?
「月の満ち欠けや惑星の動き同様、運気にも流れがありますから。その流れに乗るということです。巡ってきたチャンスはもちろん、試練が訪れた時も、それは必要な転機ですから。その転機を生かして、新しいステージを拓ける人は、幸運をつかめる人だと思います」
“保険”をかけて生きる人にチャンスは訪れない
Keikoさん自身の大きな転機の1つは、40歳の時に訪れた。会社員として相変わらず忙しくも充実した日々を過ごしていたものの、電通を辞めることを決断したのだ。
「もともと、一生涯会社員でいるつもりはサラサラなくて、いつかは辞めて起業しようと思っていたんです。入社した時から10年を目途にしていました。10年間会社勤めをすれば、一通りのことは学べるだろうと。居心地が良すぎて3年超過しましたけど(笑)、40という年齢が、ちょうど区切りがよかった。
それから、父の死は大きかったです。それまで、私の人生の両翼ともいえるものが、仕事と両親でした。その翼の1つが欠けてしまった時、これまでと同じ仕事のやり方ではバランスが取れなくなる気がして。いったん、すべてをリセットする必要があると感じたんです」
先のことは何一つ決まっていなかったものの、Keikoさんはフリーランスになる道を選んだ。
「予定は未定のまま退社(笑)。でも、きっと何か面白いことが起こるだろうという予感はありました。私は著作の中でも『準備してから行動するのではなく、まず行動して』とよく語っているんですけど、それは何事もタイミングが命だから。
準備しているうちに逃すものは多々あるし、それに不思議なことに、人生って、保険なんてかけてるとチャンスが巡ってこないんですよ。
人は不要な安心感を得ると、無意識のうちに高く飛ぶことを諦めてしまうから。新しいものを得るには、先に古いものを捨てて身軽になることが不可欠ですし、チャンスも成功も、リスクを顧みない潔さへのご褒美なんじゃないかしら」
ゼロからの出発ではあったものの、それが自らの決断であれば、不安は意外とないものだ。
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