その著作は国内でも累計170万部に及ぶが、昨年は、そのうちの一冊が6カ国語に翻訳されてアメリカなど海外でも発売された。一方、実業家としても活動の場を広げている。彼女の創るジュエリーやオリジナルのライフスタイルアイテムも人気を博し、ヨーロッパの一流メゾンの独占販売権を持つなどの成功を収めている。
彼女の占星術や著作が人気の理由は、極めて実践的であること。Keikoさんは「占星術は占いではなく、運気を好転させるためのツールです」と言い切る。ホロスコープ(星の動き)を運気の流れを知ることに使う人は多いが、彼女はそれを人生戦略のアドバイスにまで昇華させる。与えられた運命を耕して、何度でも花を咲かせる土壌に変える、そんな術を教えてくれるのだ。
人生で大切なことは電通と占星術が教えてくれた
占星術家・Keikoこと本名・有泉恵子さんは1963年、山形県山形市で開業医の父と母のもとに生まれ育った。県内でも指折りの進学校を経て、慶應大学法学部政治学科へ進学。在学中と卒業後の数年間を海外で過ごし、28歳の時に帰国。広告代理店・電通に入社……と人生の序盤から華やかな道を歩いてきた。
「大学在学中パリに留学していて。卒業後は、そのとき出会った恋人と、彼の事業でアムステルダムに暮らしていました。私はこのまま、こんな風に自由気ままに生きていくのかなと思っていたんですけど(笑)。父が大病を患ったことをきっかけに日本に帰国しました」
帰国後は電通に入社、秘書室に配属された。
「電通には13年間いました。電通に入れば、様々な人との関わり方はもちろん、世の中の裏側も学べるだろと思っていたんですけど、期待通りの経験ができました(笑)」
しかも、入社当時、世はバブル全盛期。電通などの広告代理店を中心にメディアが隆盛を極めていた時代のこと。
「社内では、ゴージャスな話から胡散臭い話まで飛び交っていたし、毎夜のように接待で、豪華な飲食店に足を運んで……と、まさにバブル時代ならではの経験をしました。やはり世の中って見えているものはごく一部だし、表に出ているものが真実とは限らないんだなと。たとえば、テレビでやっていること1つとってもそこにはスポンサーの意思が働いているわけです。すべての事には裏があり、カラクリがある。でも、裏のあるものが必ずしも悪とも言い切れない。私たちの腸内だって、善玉菌と悪玉菌で成り立ってますから(笑)。そんな世の成り立ちを若くして学べたことは私の財産の1つですね」
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