会話が成立しているように聞こえますが、Aさんが話しているのに、Bさんは「自分の話」にすり替えてしまいました。
この場合、Bさんは、会話①なら、「どこの温泉?」「どうだった?」、会話②なら「そうなんだ」「何か悩み事でもあるの?」と、相手のコメントに反応する形で話を続けるべきでした。そうすれば、Aさんも「きちんと話を聞いてもらえた」という気持ちになり、会話が弾んだことでしょう。
この「俺も」「私も」「僕も」は、相手に同意しているように見せて、「会話ナルシスト」への入り口にもなる要注意な言葉なのです。
まるで、パクパク大口を開けて、すべての餌を独り占めして、食べていくコイのように、常に自分の話に寄せていく「会話泥棒」、よくいますよね。
気がつくと、2~3時間の会話の中で、90%ぐらいをその人がしゃべっていたりするのですが、まったくお構いなしの様子です。
じつは「話す量をコントロールできない人」もいる
どんな人がこの「会話ナルシスト」になりやすいのでしょうか。医学や心理学の研究によれば、「話しすぎる人」には、次のような傾向が見られるそうです。
・自分の流儀・成功の秘訣を教えてあげたい人
・沈黙が怖い人
・「理解してもらっていないのでは」と話を続けてしまう人
・そもそも、人の話に興味がない人
・ほかの人や自分の感情を受け止めきれない人
・「場を盛り上げてやっている」と思い込んでいる人
・孤独で自分の話を聞いてもらうことが少ないので、ついついしゃべってしまう人
「アスペルガーやADHDなどの気質のある人にもその傾向が強い」という見方もあります。
人は「social cue(社会的合図)」と言われる信号を、常に発信しています。しぐさや表情などから、「相手が自分の話にどれぐらい興味を示しているのか」を読み取り、話題や話す量をコントロールするわけですが、その信号を読み取ることができないという人も少なくありません。
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