どの会社でも入社して最初に振り分けるポストは、(時差があっても)全員にチャンスを提供したいもの。ところが、大量採用後に大幅な採用減が起きると難しくなってしまいます。
当方が800人の同期と一緒にリクルートに入社した後、数年後には新卒採用は2ケタにまで下がる時期が続きました。すると、現場のマネジメントをする立場にあたる課長クラスのポストがだぶつきます。結果として課長になるタイミングは遅れ、さらに課長になれない同期が大量に出ることになりました。
こうなると、なれると思ったポストが埋まっているのでモチベーションが下がることになります。会社は課長職を増やすために「伏線型」と呼ばれる部下のいないプレーヤー型課長を増やすことで対処しました。キャリアの壁を壊すために、人事制度に手を加えたのです。
こうしたリクルート社と同じような手法を取る会社は、当時、たくさんありました。あるいは、
≪人事制度を抜本的に見直す≫
と宣言。リストラを含めて、若手社員のために管理職クラスのポストを空ける取り組みをした会社もあります。こうして、キャリアの壁は作らない努力は、大量採用の「その後」には必ずや起きるのです(もちろん、例外的に劇的成長を果たして、その後も大量採用を継続できる会社もあります。楽天やソフトバンクなどがそうかもしれません)。
大量入社は喜ばしいことですが、数年後に何が起きるのか。採用した会社も、新卒社員も、しっかり認識しておいたほうがよさそうです。
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