ちなみにその資料によると、新卒社員の特徴としては
・働く動機を探している
・人間関係の構築が苦手
・具体的な指示を求める
といった傾向があるということです。ではどうするか。具体的には、新卒社員と日誌(=リポート)の作成などを活用して手間暇かけた対話をすること、あるいは対話を通じて日々の成長している姿に対して「よくできた」とか「足りない点がある。具体的には……」と褒め、教育的指導を繰り返していくのがお薦めの指導法と言われています。
「自分の時代に比べて、かなり過保護に指導する必要があるな」と感じつつも、イマドキに合わせた指導をするのが妥当なところかもしれません。
浮かび上がる、ある懸念
ただ、この大量採用社員たちの入社後について、多くの社員たちがある懸念を持っていました。それは、
≪大量採用される新卒社員のキャリアの壁≫
に対する懸念です。例年以上に同期社員が多くいるため、社内競争は激化。さらに、大量採用後に起こりがちな揺り戻しで採用数が減少した場合、管理職などのポストが不足してキャリアが行き詰る可能性も高まります。当然ながら、こうしたキャリアの壁のある職場では、現場のモチベーションが下がります。
「頑張っても出世できない」「会社が硬直している」「自分たちは損している」
と厭世感が出て、優秀な人材が流出。企業業績に影響が出る可能性すらあります。取材したサービス業の店長は
「われわれの世代は会社の成長スピードに便乗して、誰もが店長になれた。でも、これから入社してくる社員たちが全員店長になれるだけの出店は難しいのではないか」
とキャリアの壁ができる可能性を指摘。現在よりもさらに大量採用しないかぎり、店長ポストは足りなくなるのは明らか。この矛盾はどのように対処すべきなのでしょうか?
当方も大量採用組なので「キャリアの壁」にぶつかりました。大量採用した数年後には採用数が減ります。会社における人材の需要が下がるからです。しかも、その採用数が大幅に下がるとどうなるか? 5年後10年後にポストを振り分けることができなくなります。
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