このように、採用にアグレッシブな業界では、今、まさに歴史的な「大量採用」が行われている状態ではないでしょうか。
振り返ると、採用数の上昇のカーブが相対的に大きな業種(著しい大量採用)が必ずありました。1980年代であれば流通業界。GMSと呼ばれる、総合スーパーをロードサイドに大量出店していた時期。将来の店長候補として大規模な新卒採用を実施。年間の採用数は1000人を超えていました。
さらに、バブル絶頂期。入社式は武道館とか大きなコンサートホールで華々しく実施していました(中には有名バンドなどを呼んで、ライブを行う会社も)。すると、
《●●社、1000人規模の入社式を大掛かりに演出。レーザー光線も登場》
と、その模様がニュースなどで紹介されたもの。こうした光景を「うらやましい」と感じて、翌年以降に応募する学生がたくさんいました。まさに大量採用している会社が格好いいように見えていたのかもしれません(現在では、また違う印象でしょうが)。
一方で採用数が少ない会社では、社内の会議室で地味な入社式を開催するパターンが大半。景気がよくても悪くても、新卒採用数を「頑固」に変えない技術開発型の製造業など当てはまるかもしれません。新入社員たちは「もっと、華々しく迎えてほしいのに」と残念に思っていたかもしれません。しかし、
大量採用で華々しい入社式vs.少数採用で地味な入社式
を経験した学生たち、はたして10年後20年後にはどちらがハッピーなキャリアを描いているでしょうか。
若手社員の「正しい」指導法は?
ちなみに当方が新卒で入社したリクルート社も、1980年代に1000人規模で大量採用した会社でした。業種的にはCSK社やセコム社などと並んで「その他サービス」というジャンルに分類されていましたが、いずれの会社も大量採用をしていました。
こうした大量採用は実施するのも大変ですが、前述したように、それ以上に受け入れの準備が大変。採用数が多いので、人事部が簡単な研修をした後、
「ある程度、社会人としての基礎を指導したので、後はよろしくお願いします」
と、ドンドン配属することになります。当然、即退職されるのは痛手なので、最近は人事部から
≪イマドキ新卒社員の特徴を伝えますので、これを踏まえて指導をお願いします≫
と“取り扱いのヒント”となる情報を提供する会社も多いようです。
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