数学を切り捨てるビジネスパーソンの残念な末路 「知っておくべき数学」と「捨てていい数学」
④ さらに4つめとして、会計やファイナンスといった、お金を扱うビジネス領域についての理解が深まります。特にファイナンスは数学を多用します。ファイナンス思考の重要性が叫ばれる中、リーダーを目指されるのであれば、一定レベルの数学はやはり必要です。
ビジネスは、最後は数字がものをいう世界です。数字に対する感度を上げるためにも最低限の数学的素養は持っておくべきなのです。
「知っておくべき数学」と「捨てていい数学」
幸いなことに、一般的なビジネスパーソンが知っておくべき数学の知識はそんなに多くはありません、事実、MBAを取得するうえで必要な数学の知識は実はかなり限定的です。9割から9割5分くらいは、今回の書籍でも取り上げた8つの項目を知っておけばカバー可能です(加えてある程度のExcelをマスターすることも必要ですが、今回は割愛します)。その8つとは以下です。
・一次関数
・指数関数
・平均
・確率
・標準偏差
・集合
・微分
逆に、整数の性質(素数など)、2次関数、3次関数……、三角関数、複素数、虚数、積分、ベクトルといった項目は、通常のビジネスパーソンは捨ててもほぼ問題ありません。かなり肩の荷が下りたのではないでしょうか。
先の8つを2軸でポジショニングすると以下の図のようになります。横軸は先述した効用の①や③④、縦軸は②や④と関連してきます。
たとえば標準偏差という項目があります。主に統計学で活躍する項目です。これを理解しておけば、人にだまされることも減りますし、世の中の見え方も大きく変わってくるわけです。
なお、左下の商や一次関数などは、相対的にはこの位置に来ていますが、だからと言って重要度が低いわけではありません。これらは高校以前の中学の素養ですが、むしろ使用頻度は多いともいえるからです。
すべての項目について、少なくとも共通テストの小問単位で平均点以上がとれるくらいの数学的素養を身につけたいものです。それができれば、ビジネスパーソンとしてもバリューが出しやすくなるのです。
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