部下を育てたいなら意識したい面談「回数と時間」 時間を割いて部下の話を繰り返し聞くのがカギ

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部下をしっかり育てたいなら、面談の回数と時間にもこだわりましょう(写真:mapo/PIXTA)
活気のない職場、パッとしないチームの業績……。その原因は、上司であるあなたが部下の話を「聞けていないから」かもしれません。
「いやいや、自分は部下たちの話をちゃんと聞いているから」という人はまだまし。「部下の話なんて、まともに聞いてられないよ!どうせグチや不満ばかりでしょ」「会社から1on1ミーティングをやれと言われたけど、正直面倒くさい」というのが偽らざる本音、という人は要注意です!
つい軽く考えてしまいがちな、「聞く」という行為。しかし、上司が真摯に部下に対する「傾聴力」を磨くことで、職場の心理的安全性が高まり、指示待ちと思っていた部下が見違えるほど成長するとしたら?
リーダー育成家林健太郎の新著『優れたリーダーは、なぜ「傾聴力」を磨くのか?』では、コーチとして活躍する著者が、職場のリーダー層が身につけるべき「傾聴力」について、考え方と実践法を紹介しています。本稿では、同書から一部を抜粋してお届けします(全3回、今回は2回目、1回目はこちら)。

私がセミナーなどで、「部下の話を聞くときは、会話のゴールを設定してください」というお話をすると、「部下との会話をコントロールしてゴールに向かわせる」という解釈をしてしまう人がいます。

ゴール設定は会話のコントロールではない

ここはよく混同されがちなのですが、「ゴールを決めて、部下に道すじを見せること」と、「ゴールへ向けて、部下をコントロールすること」は、似て非なるものです。山登りにたとえて説明しましょう。

コントロールしていない状態は、晴天で登山道が見えていて、「さあ、あの山頂を目指して行こう」と言っているイメージ。部下は道すじも山頂も見えていますから、ある程度、放っておいても自分で歩くことができます。自分で考えて、「こっちの道のほうが近道できませんか?」なんて、提案してくるかもしれません。さらに進んで、1人でも頂上まで行けるようになるかもしれない。

一方、コントロールしている状態は、霧で道がまるっきり見えない中、手をつないで相手を引っ張っているというイメージ。 それこそ、道すじも山頂も見えていない相手の手を握って、「右だ、左だ」と指示(コントロール)している状態です。

部下にしてみたら、手を引かれるままに歩いていればそのうち山頂に着くのですから、何も考える必要がない。ただ、道案内(上司)が手を離したら一歩も歩けなくなってしまう状態。これでは成長が見込めません。

コントロールを「する」「しない」の違い、わかっていただけたでしょうか。怖いのは「指示・命令・管理」だけで、部下をコントロールしてしまう上司が評価される会社が存在することです。そういう会社では、部下たちはやる気も起こらず、求めるレベルまで成長しません。

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