話の途中で部下に助言する上司ほど能力が低い訳 優れたリーダーは口を挟まずじっくり話を聞く

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部下の本音を聞き出せていますか?(写真:shimi/PIXTA)
活気のない職場、パッとしないチームの業績……。その原因は、上司であるあなたが部下の話を「聞けていないから」かもしれません。
「いやいや、自分は部下たちの話をちゃんと聞いているから」という人はまだまし。「部下の話なんて、まともに聞いてられないよ!どうせグチや不満ばかりでしょ」「会社から1on1ミーティングをやれと言われたけど、正直面倒くさい」というのが偽らざる本音、という人は要注意です!
つい軽く考えてしまいがちな、「聞く」という行為。しかし、上司が真摯に部下に対する「傾聴力」を磨くことで、職場の心理的安全性が高まり、指示待ちと思っていた部下が見違えるほど成長するとしたら?
リーダー育成家林健太郎の新著『優れたリーダーは、なぜ「傾聴力」を磨くのか?』では、コーチとして活躍する著者が、職場のリーダー層が身につけるべき「傾聴力」について、考え方と実践法を紹介しています。本稿では、同書から一部を抜粋してお届けします(全3回、今回は1回目)。

部下の話を聞くときに意識すべきこと。最初にお伝えしたいのは、「事実情報とそれ以外を混同せずに、しっかりと分けて聞く」ということです。

「事実情報」と「それ以外」を分ける

 部下の話に限ったことではありませんが、人の話は大きく、「事実」と「それ以外」に分けることができます。例を挙げましょう。

「先方の担当者から見積り依頼がありました」というのは「事実情報」です。 こうした情報は何も面談でなくても、業務報告で聞けばいい話。こういう話題を面談でして、「自分は部下の話を聞いている」と思ってはいけません。

これに対して、「先方の担当者はこちらからの提案に乗り気だったと思います」は、「事実以外のこと」です。

この「事実以外のこと」は、さらに「感情」「思考」「推測」の3種類に分類できます。面談で話を聞くときは、部下が何を感じていて(感情)、どう考えているか(思考)、どんな仮説を立てたのか(推測)といった3つの分類に切り出しながら聞くことが大切です。

また、部下の話を聞くときにもう1つ考えてほしいのが「時制」です。

この時制は、「過去」「現在」「未来」の3つに分類します。部下が話していることが過去の体験なのか、目の前で起きていることなのか、それとも未来の展望や不安のことなのかを分けて考えると、話を理解しやすくなります。

例えば、営業提案の話であればこんな形で話を進めます。

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