「関係が悪化した夫婦」が今すべきアクション4つ まずは「2人は共同経営者」と考えて歩み寄る
会社では、経営陣がさまざまな人と協力してプロジェクトをこなし、事業を運営していきます。同じように家庭内でも、複数のプロジェクトをパートナーと協力して運営していかなくてはいけなくなります。つまり共働きの2人は、家庭の「共同経営者」になる必要があるのです。
社会現象を巻き起こしたドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』をご存じですか?
このドラマで、ともに暮らすみくりさんと平匡さんは、度々「会議」を開きます。向かい合ってテーブルにつき、差し迫った課題について、お互いの意見や要望を伝え合っていました。
たとえば、夫の平匡さんが転職に悩む回があります。安定しているA社か、給与はいまの半分になるが新しい挑戦ができるB社か。家計にも影響が出るため、パートナーに反対されてモメそうな悩みです。
ここで2人は「経営責任者会議」を開き、フラットに話し合います。結果、妻のみくりさんも働くことにして、その代わりに、家事も分担することに。お互いに納得できる結論を導いていました。
ほかにも、お互いに大変なときには外部サービスを利用したり、スキンシップが足りないと感じたら「ハグの日」を制定したりなど、お互いに意思確認をしながら解決策を導いていきました。「夫婦とはこうあるべき」にとらわれず、お互いの気持ちを知ること、伝えることを大切にして方針を決めていたのが特徴的です。
「夫だから」「妻だから」と、性別によって役割を定める時代ではなくなり、どちらかが「主」でもう一方が「従」の関係は成り立たなくなりました。そのため私たちは、パートナーと「共同経営者」となり、何事も対等な立場で話し合って決めていく必要が出てきたのです。
家庭の「共同経営者」になるためのポイント
2人が家庭の「共同経営者」になるために大事なポイントが、4つあります。1つめは「ビジョンを共有する」ことです。
家庭を1つの会社と見立てたとき、自社の共同代表2人の目指す方向が食い違っていたら、経営方針は定まらず、いずれ2人は仲違いしてしまうでしょう。家庭も同様に、2人のビジョンを共有することが大切です。
たとえば、社会貢献のために働きたいのに「なんでそんなに給料が低いところに転職するの?」と反対されてしまったり。家族との時間も大事にしたいと思っているのに「もっとキャリアアップとか昇進とかする気ないの?」と言われてしまったり。お互いの「働く目的」を知らないと、時間の使い方や家事のやり方、お金の使い方など、日常のちょっとしたことでもすれ違いやすくなってしまいます。
相手の背景を理解することで「どうすれば、2人の理想が実現できるか」に目を向けられるようになるでしょう。ビジョンに正解はないため、2人で方向性を無理に一致させる必要はありません。お互いを理解するために、まずは聞き合ってみることが大切です。お互いが大切にしていることがわかると、意思決定もスムーズになっていきます。
2つめのポイントは「優先順位を洗い出して実行する」ことです。
仕事でも、ゴールを達成するためにタスクの優先順位づけをし、そのうえでどんな打ち手を選定するかを決めますよね。2人が目指す生き方や働き方を共有したら、優先順位を整理して、実行に向けて少しずつ動いていくことが重要です。
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