日本に1%成長の実現が強く求められる切実な訳 コロナもインフレも重要だがもっと重要なことだ

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OECDの予測では、日本の年平均実質GDP成長率は、2020年から2030年までの期間においては、成長率は0.987%と、過去の実績に比べて、かなり高くなる(アメリカについても同様の傾向が見られるが、日本は顕著)。

労働力人口が減少するにもかかわらず、これだけ成長できるのはなぜか、はっきりした理由はわからない。

しかし、その後は成長率が低下し、年平均0.5%を下回るようになると予測されている。

日本の場合、過去の実質成長率の推移を示すと、図表2のとおりだ。

2000年までの10年間を見ると、高くても1%で、1%未満の期間も多い。2020年までの10年間では3.4%だ。

これとの比較で言えば、OECDの予測は、「今後(とくに2030年ごろまで)の日本は、過去に比べて高成長を実現する」としていることになる。

ただし、他国に比べると、日本の成長率は低い。

ことに、アメリカと比べると低い。アメリカと日本の差は、今後拡大していくことになる。

財政収支試算では、2%を超える成長率を想定

日本でも、いくつかの中長期推計や見通しが行われている。

その1つとして、内閣府による財政収支試算(「中長期の経済財政に関する試算」:2022年1月)がある。これは財政収支に関する分析が目的だが、その前提として、出発時点から10年先までのマクロ経済の予測が行われている(2022年版では、2031年まで)。

図表2に見るように、実質成長率は、「成長実現ケース」では、2026年まではほぼ2%を超える高い率だ。その後も、2%に近い成長率が想定されている。

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