ひろゆきと竹中平蔵が問う日本の官僚組織の問題 抜本的に改革できない根本的理由はどこにあるか
竹中:ご指摘の通り、ワシントンの場合は、政権が変わったら、官僚のトップ約3000人が入れ替わるわけですよね。それはrevolving door(回転ドア)とも呼ばれています。ヨーロッパはアメリカに比べると官僚が強いほうだけど、それでも日本みたいに直接的なことはないですよね。
ひろゆき:日本の場合って、官僚は一度就職したらずっと同じ省庁に勤めて、政権がどう変わろうとずっと同じ省庁で情報を持ち続ける。だから強いわけじゃないっすか。
法律自体も省庁がつくるわけだから、「こういう法律だから、これできませんよ」って言われちゃうと民間はどうしようもない。「こういう法律をつくったら自分たちの省庁が得する」ってわかって法律もつくれちゃう。官僚を別の省庁に異動させるか、クビにするかっていうどちらかできないと、その仕組みを壊せないですよね。
日本の官僚主導の問題点
竹中:おっしゃる通りで、だから第1次安倍内閣のときに公務員制度改革をやろうとしたわけです。当時、行革担当大臣の渡辺喜美さんがそれを担当しようとしたんだけれど、自治労のものすごい反対に遭ったんです。
思い出深いエピソードがあります。アメリカから帰ってきた小泉進次郎さんが2009年に初の選挙に出るとき、私は初めて彼に会ったんです。そのとき進次郎さんが最初に私にした質問は、すごくストレートでした。「先生、官僚主導の何が問題ですか?」って聞かれたんです。その際に私は、「2つ問題がある」と答えました。
1つは、官僚が終身雇用・年功序列でやっているということです、と。終身雇用・年功序列だから、国民のために本当にやるべき政策よりも、官僚組織のために何をやったらいいか、自分の先輩が天下りするための仕組みをどうつくったらいいかを考えてしまうわけです。政策が官僚の利権になってるということです。でも官僚がころころ入れ替わったらそんなことは考えませんよね。
もう1つは、官僚主導だと大きな制度改革が絶対にできません、と。官僚は非常に大きな仕事をしているように一見思えるけれど、国民からの信託を所詮は受けていないので、郵政民営化とかベーシックインカム導入のようなブレイクスルーはできないのです。この2つが官僚制度の弱点ですと進次郎さんに申し上げたんですよ。
第1回:ひろゆきと考える 竹中平蔵はなぜ嫌われるのか(6月24日配信)
第2回:ひろゆきが竹中平蔵に聞く経済学者としての実績(7月1日配信)
第3回:竹中平蔵がひろゆきに答える「私が嫌われる理由」(7月8日配信)
第4回:ひろゆき「嫌われてもいいから答えを知りたい」(7月16日配信)
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら