ひろゆきと竹中平蔵が問う日本の官僚組織の問題 抜本的に改革できない根本的理由はどこにあるか

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ひろゆき:コロナ禍においては中国やシンガポールといった強権を振るえる国のほうがうまくやりましたね。

竹中:そうです。民主主義は権威主義に負けている、という。権威主義のほうがこうしたパンデミックには親和性がある。それだけではなく、今まさに第4次産業革命でビッグデータ・AI・ブロックチェーンなど新しいテクノロジーが出てくる中で、パラダイムが変わるときは権威主義のほうが、なんとなく分(ぶ)がいいように見えるわけです。

データを用いるときに、「個人データのプライバシーをどうするのか」なんて言わせないで一気にやってしまう中国のほうが強いわけです。だから実は今、民主主義のアメリカと権威主義の中国の抜き差しならぬ対立にもなってるわけです。

オンライン診療は特例的措置?

ひろゆき:尚更、今の日本が小手先で何かやってもどうしようもない気がしますね。良くなったものを悪い方向に戻す動きまであるじゃないですか。オンライン診療もある程度進んで便利になったのに、「あれはコロナの時限的、特例的措置だから元に戻せ」って医師会が言ってますよね。

竹中:その通りです。

ひろゆき:どこに住んでても受けられるオンライン診療があるほうが、国民にとって明らかに便利じゃないですか。無医村みたいな田舎では特に。オンライン診療、受けたくない人は受けなければいいだけですし。でも、医師会の人たちが嫌だって言ってるわけじゃないですか。

オンライン診療を丁寧にやっている医者がいるとそこに人が集まって、なんとなくダラダラやっているリアルの病院にみんな行かなくなっちゃう。結果として、そういう病院の仕事がなくなってしまうから。反対する医師会を尊重して、正義ではない方向に物事が進むのはすげえなって思うんです。

竹中:本当にそういうことが現実に今、起こりつつあるわけですよね。オンライン診療もしかり、オンライン教育もそうですよね。ひろゆきさんは「鉄の三角形」という言葉を聞かれたことはありますか?

ひろゆき:知らないっす。

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