ひろゆきと竹中平蔵が問う日本の官僚組織の問題 抜本的に改革できない根本的理由はどこにあるか

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竹中:英語では「アイアントライアングル」って言うんですけど、どこの国でもある程度存在する癒着構造です。例えば、医師会のような既得権益を持っている産業界。新しい政策をやろうとすると当然、反対します。

それから政治献金を受けたり、選挙のとき助けてもらってる政治家がいるわけですよね。「族議員」とも呼ばれます。既得権益団体と族議員の間を取り持って、根回しをして法律をつくったりするのが官僚です。この官僚と既得権益団体と族議員、三者の強い結びつきが「鉄の三角形」です。政治が存在する以上、程度の差はあれ、どこの国でもありますが、日本の場合、それが特に強い。

ひろゆき:なるほど。

竹中:業界団体が鉄の三角形でものすごい政治力を持っていて、そしてそれに動かされる政治家と官僚がいる。ここの構造は残念ながらずっと変わっていないけれど、それは甘受しながら、変えられるところを少しずつ変えていくしかありません。

例えば仕事のやり方も兼業・副業がコロナ以降、割と社会に定着してきました。フレックスタイムも普及して、電車に乗る時間など、多くの人がちょっとずつ変わっているわけです。でも、ひろゆきさんが言うように、根本的なところで変えてもらわないと、特に次の若い世代にさまざまなしわ寄せがいくことになってしまいますね。

日本と欧米の公務員は何が違う?

竹中:日本で「鉄の三角形」が特に強固である理由は、官僚にあるんです。官僚がものすごい量の情報を抱えていて、その情報を基盤にした力を持っている。

ひろゆき:アメリカとかフランスとかって公務員がぽこぽこ辞めたり、そのあとまた民間から公務員に戻ったりする。公務員になる人と民間で働く人の人材流通が盛んじゃないっすか。アメリカだと政権が変わったら、ひとまず偉い官僚は全員辞めさせられて、共和党なら共和党系、民主党なら民主党系に入れ替わってしまう。そうすると、官僚だけが情報を持ってるという状況にはならないっすよね。

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