「頭の悪い人だから独学で身に付かない」の勘違い 読んでもわからない教本だったら替えてしまおう

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独学は「わからない時にどうするか」の選択が重要です(写真:C-geo/PIXTA)
何かを新たに独学で身に着けるのは難しいもの。三日坊主で終わってしまったという経験は、多くの人にあるでしょう。ではどうやれば学べるのか。高校に行かず大学は通信制、独学で東大経済学部教授になった柳川範之氏の著書『東大教授が教える独学勉強法』を一部抜粋、再構成してお届けします。

自分の理解に合った教材を選べる

私は高校から大学の独学時代、参考書やテキストはいきなり1冊には絞らず、必ず何冊か目を通すようにしていました。なぜ何冊か読んだほうがいいかというと、理解のパターンには相性があって、この説明の仕方だとわからないけれど、別の説明の仕方をしてもらうとわかるということがしばしばあるからです。

これは頭の良し悪しとはまったく関係ありません。みんなが良いと思うテキストが良いとも限らない。結局、理解の仕方は、人によってパターンの違いがあって、それは上下の違い、良し悪しとはまったく別で、バラエティーとして違いがあるということです。

例えば、自分の理解のパターンにうまくはまった先生にあたると、すぐに理解できて「ああ、よくわかった」と思うのですが、そうでないとさっぱりわからないときがあります。それでも、教室にいるほかの人が、うなずいていたりすると、「あれ、自分の頭が悪いのかな」と思い込んでしまうことがあります。

でも、それは実は大間違いです。みんなに合う説明の仕方と、自分に合う説明の仕方が違うだけという場合が往々にしてあるからです。

ですから、何冊も読んでみて自分に合うものを探していくのがいいのです。何冊か本を読んでみると、どれが自分に合うものかも何となくわかってきます。

私も経済学を最初に勉強したときがそうでした。当時シンガポールで慶応大学の通信教育を受けていたのですが、経済学の勉強をするにあたり、最初に読んだ本が、1ページ目からさっぱりわからなかったのです。頑張って読み進めてみたのですが、まったく理解が進まない。最後まで読んでも、何が言いたかったのかほとんどわからないという状態でした。「これは本当に困ったことになった」というのが当時の実感でした。経済学に興味を持つどころか、正反対の体験でした。

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