IIJ、接待問題で辞めた総務官僚が副社長になる訳 「元総務省ナンバー2」の谷脇氏本人を直撃した

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――一方、IIJの筆頭株主はNTTです(間接所有を含め約27%のIIJ株を保有)。接待問題の当事者であるNTTの関係会社であるIIJに入ることに抵抗感はありませんでしたか。

ない。(NTTからの経営の独立性が高い)IIJがNTTのグループ企業であるという感覚はないからだ。あくまでIIJのよさを個人的に評価し、その一員として事業展開に携わりたいと考えたということに尽きる。

――総務省では監督官庁という立場でしたが、IIJに対してはどんな印象を持っていましたか。

総務省にいる時は各企業のことをそんなに詳しくみているわけではないので、IIJはインターネットの会社、というイメージがあったくらいだった。ただ、実際に入社して事業内容を深く学ぶにつれ、長い歴史の中で培われたネットワーク運用などに関する技術やノウハウはすごい強みだと思うようになった。

セキュリティ分野で知見を生かす

――IIJでは副社長となり、対外的に公表している職掌は「全体統括補佐」です。具体的にどんな業務を手がけることになりますか。

鈴木会長、勝栄二郎社長が全体の経営を担うが、それを補佐するのが私の役目だ。現時点で具体的にどういう仕事に取り組むのかは、はっきりとは言えない。ただ、内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)などでの勤務経験を生かし、セキュリティや行政・企業のデジタル化などに関する事業拡大に貢献していきたい。

――谷脇さんは政府でサイバーセキュリティ対策に取り組み、2018年に関連著書も出されています。そして、セキュリティはIIJの注力分野の1つでもあります。

IIJの今の経営資源を考えてみると、ネットワークサービス、システムクラウドに加え、サイバーセキュリティの3つが大きな柱になっている。

サイバー攻撃はインターネットの影の部分。ネットワークが途絶えると、社会・経済的損失も非常に大きい。IoT(モノにつながるインターネット)などの利用が増える「データ駆動社会」では、なおさらだ。

これまでは政府の中で(社会全体の)サイバーセキュリティ対策、政府に対するサイバー脅威を見てきた。今後は民間企業のIIJの立場から、顧客企業などのセキュリティ対策を少しでも手助けできるような活動をしていきたい。

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