企業の「ネット炎上」がなぜか止まらない根本原因 なんでも「炎上」時代に企業はどう対策すれば?
ちょっとした情報発信のミスや単なるボタンの掛け違いでも、バッシングによってビジネスが吹き飛べば、ネット炎上の定義などもはや無意味。
「本件は、厳密にはネット炎上ではありません。ですが騒動の影響で、弊社は事業の継続が困難となりました、さようなら」
なんて状況に陥ったら、ネット炎上か否かなんてどうでもいい話。事業の安定、危機管理という観点で考えれば、企業のネット炎上はあえて曖昧で幅広く定義し、しっかりと備える必要があるのです。
「企業のネット炎上」は、個人のそれとは定義や意味が根本的に違うもの、企業はネット炎上という、めちゃくちゃ幅の広いゴールポストを守らなければならない。ここが「個人のネット炎上」と大きく異なるポイントです。
なんでも「炎上」に
ネット炎上は、メディアにとって「使い勝手の良い素材」でもあります。ネットに投稿されたさまざまなコメントの中から、番組の内容・方向性に合うものを引用すれば「ネットではこんな意見が」と、番組の内容に客観性を加えることができますから。
そんな背景もあって、ネットの〝名無し投稿〞はメディアによって頻繁に引用されるようになるのですが、やがて「え、これもネット炎上なの?」というモノまで炎上扱いされるようになりました。たとえば……。
ある既婚女性アイドルが、旦那の留守中に自宅で不貞行為に及んでいたら、そこに旦那が帰ってきた、というまるでマンガのようなスキャンダルがありましたね。すぐに、ワイドショーや週刊誌がそのネタに飛びつきます。
当時このスキャンダルに対し、掲示板やツイッターなどでも、さまざまな「個人の意見」が投稿されていました。さすがに女性アイドルを擁護する声は皆無、ネットの投稿は彼女へのバッシング一色だったのですが、するとワイドショーや週刊誌が、その様子を「ネットで大炎上」と報じたのです。私は何ともスッキリしない気分でした。
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