過激なネット炎上は「設計」でもっと解決できる オードリー・タンの「コミュニケーション術」

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(写真:「OPEN BOOK 閱讀誌」提供 撮影/KRIS KANG)
デジタル化が進む社会のなかで、人と人とのコミュニケーションも変わってきています。その最先端で数々の政策を進める天才台湾デジタル担当大臣のオードリー・タン氏に、デジタル社会ならではのコミュニケーションについて話を聞きました。『まだ誰も見たことのない未来の話をしよう』(語り手 オードリー・タン 聞き手 近藤弥生子)より抜粋して紹介します。

面会の大半の時間を「聴くこと」に費やす理由

私は、自分はメディアでありプラットフォームであることを意識して仕事をしています。

私は毎週水曜日をオープンオフィスの日と決めて、誰でも私と対話することができるようにしています。その日には、小学生から80代のおばあさんまで、幅広い世代、さまざまなエスニシティの方が訪れます(日本からもたくさんの方がリモート経由でエントリーしてくれています)。

そして、そうした人々との対話で集めた意見を“パズルのピース”のようなものであると捉えています(私自身もまた、1つのピースです)。

40分間の面会の間、私が話すのは最後の10分間程度で、他の時間は相手の話に耳を傾けることに集中します。

なぜそんなに集中しなければならないのか? それは、私が相手の視点から物事を見てみたいと思っているからです。

相手の視点に立つためには、相手が言いたいことを完全に理解することが必要です。

その人は、何かとても重要であると思うことがあるからこそ、わざわざ私を訪ねてきてくれたわけです。けれど、もしかしたらその人自身「なぜそれが重要であるか」を明確にしきれていないかもしれません。私は相手がなぜそれをとても重要だと思うのかを知るために、徹底して相手の視点に立たなければならないと思っているのです。

私の考え方が自分の視野によって制限されているように、他の人は私とは違う世界を見ている。これは対話において基礎となる概念ですね。相手には私が見えていないものが見えているかもしれないし、相手の考えのほうが道理にかなっているかもしれない。

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