過激なネット炎上は「設計」でもっと解決できる オードリー・タンの「コミュニケーション術」

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実際の話し合いの場では、極端な意見が目につきやすいかもしれませんが、こうしてオープンにして見てみると、実は多数派は別のところにいる、ということもわかります。

また、もしあなたがその意見に違和感を覚えるならば、自分で意見を出して投票を求め、人に評価してもらうこともできます。そこで自分と同様の意見を持つ人がどれだけいるのかを知ることができますし、反対の意見から違う視点を学べるかもしれません。

さらに、〈vTaiwan〉には、個人のプロフィールも表示されますので、自分の友人や家族が自分と違う意見を持っていることに気づくこともできるでしょう。

でも、意見が違っても友人は友人、家族は家族です。そんなことに気づけるのもこのシステムのよいところです。

心得は「ガラスのハート」にならないこと

インターネット上でこうした状況を目にしている、もしくは体験している皆さんに、私から1つお伝えしておきたいのは、「ガラスのハート」にならないでくださいということです。

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この世界で起きている言い争いの原因は、大部分が「ガラスのハート」に起因・関連しています。台湾では「地雷を踏む/踏まれる」と言います。

私自身、不快な地雷を踏まれてしまった時には、心のマッサージをすれば(あるいはいつもより長く睡眠をとれば)、だいたいその不快な気持ちを拭うことができます。何か嫌なことがあったら、次からもうそんな気持ちにならなくて済むように、また、言い争いをしなくて済むように、自分なりの対処法を用意します。

たとえばネガティブなことがあっても、ユーモアを持って対処するとか、そういったことですね。

ちなみに、今朝は日本でのトークイベントにリモート出演したのですが、無線マイクが音を拾わず、私が話しても日本側には聞こえないというトラブルがありました。

これは私と無線マイクの距離が離れすぎていて、マイクが集音できていなかったためで、私が2歩前に進んだら直りました。

私は音声が途切れてしまった時に「私の脳波が強すぎたためでしょうか」と言い、元に戻った時には「自分から前に数歩進んでこそ、コミュニケーションはスムーズになります」と言いました。皆さんもこれを面白いと思ってくれたようです。もし私が会場のスタッフを叱責したら、きっと大変不快な状況になったことでしょう。これも、ユーモアを用いて面白さや新しい連想を促し、「心のマッサージ」を行ったということです。

近藤 弥生子 ノンフィクションライター

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こんどう やえこ / Yaeko Kondo

2011年より台湾・台北在住。オードリー・タンからカルチャー界隈まで、生活者目線で取材し続ける。東京の出版社で雑誌編集を経たのち、駐在員との結婚をきっかけに台湾移住。現地デジタルマーケティング企業で勤務後、独立して日本語・繁体字中国語でのコンテンツ制作を行う草月藤編集有限公司を設立。台湾での妊娠出産、離婚・シングルマザーを経て、台湾人と再婚。著書に『オードリー・タンの思考』『オードリー・タン 母の手記「成長戦争」』『まだ誰も見たことのない「未来」の話をしよう』『台湾はおばちゃんで回ってる⁈』がある。

ブログ:「心跳台灣」

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