「褒め方」で差が出る自分を受容できる子の育て方 「いい点数ですごい」という褒め方は何がダメか

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幼いうちは、子どもも無邪気に「こう思う」と意見を話すものです。ですからなるべく小さい頃から意見を聞く習慣を取り入れることがおすすめです。そうすれば、大きくなってもすんなりと自分の意見を言えるようになるでしょう。

子どもたちと考えたポジティブな声かけ

さて、この連載の最後に1つだけ、ある小学校のお話をさせてください。

『最新の「幸せの研究」でわかった しなやかで強い子になる4つの心の育て方』(あさ出版)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

私が知っている小学校の先生で、ウェルビーイングを学んだ方がいらっしゃいます。その方が、自分が担任をしているクラスの壁に、ポジティブな声かけの言葉を貼り出したそうです。

言葉は「ありがとうの言葉」「やってみようの言葉」「なんとかなるの言葉」「ありのままの言葉」と4つの因子に分け、それぞれ子どもたちと一緒に考えて書いたもの。

「ありがとうの言葉」では、「好き/大好き」「ありがとう」「優しいね」「元気だね」など。

「やってみようの言葉」では「いいね」「やってみたい」「すごい」「ナイス」など。

「なんとかなるの言葉」では、「ツイてる」「きっとよくなる」「次があるさ」など。

「ありのままの言葉」では、「みんな違ってみんないい」「好きこそものの上手なれ」など。

ポジティブな声かけの言葉をたくさん掲示し、朝の集まりの時間にみんなで読み上げることを習慣化したのだそうです。

毎日続けているうちに、日常生活の中でも子どもたちから「いいね」「チャレンジしたんだね」「優しいね」「ナイスだね」など、ポジティブな言葉が自然と出てくるようになったとのこと。結果的にクラス全体のコミュニケーションがすごくよくなり、学習に対する意欲も、クラス全体の成績も上がりました。

子育てでは、子どものことを思うあまりに「ああしなければいけない」「こうすべきだった」などとネガティブな面にばかり目が行ってしまいがちですが、このクラスの生徒たちのように、ぜひポジティブな眼鏡で、その子のいいところを見てあげて、どんどん言葉に出し、幸せのシャワーを浴びせてあげていただければと思います。

幸せは伝染します。

子育てを通して、お子さんが、そしてみなさんのご家庭が、幸せでいっぱいになることを心から願っています。

前野 マドカ EVOL株式会社代表取締役CEO

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まえの まどか / Madoka Maeno

慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科附属システムデザイン・マネジメント研究所研究員。IPPA(国際ポジティブ心理学協会)会員。サンフランシスコ大学、アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)などを経て現職。幸せを広めるワークショップ、コンサルティング、研修活動およびフレームワーク研究・事業展開、執筆活動を行っている。システムデザイン・マネジメント学、幸福学の研究者である前野隆司の妻。2児の母。

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