脱原発依存が焦点、電源構成の論議始まる

"新電源"としての省エネも重要に

日本エネルギー経済研究所で常務理事の小山堅氏は、「2030年という長期を見据えてベストミックスを決めるうえでは、現状の原油安に安住してはならない」と釘を刺すとともに、中東やウクライナ問題など地政学リスクを真剣に考えるべきと説いた。

日本総合研究所理事長の寺島実郎氏は、原油安が世界のエネルギー地政学に与える影響を重要視。また、国内エネルギー消費がピークから15%減少している現状を踏まえ、省エネ効果を需要見通しにどう織り込むがポイントと語った。同氏は、原子力の技術基盤を残す必要性から、2030年の原子力構成比として15~20%との見方を示した。そのうえで、「原子力政策に対する国家の責任を明確にするため、現状の国策民営方式から段階的に国家へ運営主体を持っていくような方式も視界に入れるべき」と提唱した。

再エネ先進国ドイツの最新事情に注目

名古屋大学大学院教授の高村ゆかり氏は、「化石燃料による火力への電源依存度が88%という現状は持続可能ではない」とし、低炭素化の重要性を強調する。原子力の依存度低減に向け、省エネや再エネの拡大、火力の効率化をどこまで追求できるかを、コストや便益、諸外国の実情を踏まえつつ、議論を深めるべきと述べた。

加えて高村氏は、再エネ拡大先進国のドイツにおいて近年、再エネ賦課金(電気料金への上乗せ費用)の上昇が止まる傾向が見られることを指摘した。

実際、ドイツでは15年から再エネ賦課金が初めて減少に転じる見込みだ。固定価格買い取り制度(FIT)では、電力会社による再エネの買い取り費用が10~20年間固定され、太陽光の初期買い取り費用が高いこともあって、電気利用者の負担増ばかりが懸念される。ただ、再エネの普及、毎年の買い取り価格引き下げが進むにつれ、賦課金の上昇ペースは鈍化し、初期契約の買い取り期間が終わる10~20年後には賦課金は減少に転じる。再エネの費用は”将来世代のための貯金”との見方もある。

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